免疫力アップ大作戦:免疫力低下の6つの要因

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前章では、免疫システムのメカニズムについて学んできましたが、本章では免疫力が低下してしまう要因についてみていきたいと思います。

免疫力が低下してしまう主な要因としては次のようなことが考えられるかと思います。

1.老化による低下
2.腸内環境悪化による低下
3.ストレスによる低下
4.低体温による低下
5.睡眠不足・質の悪い睡眠による低下
6.栄養不足による低下

順にみていきましょう。

老化による低下

残念ながらこの優れた免疫システムの機能も、さすがに老化には勝てず加齢とともに次第に劣化していきます。

主な要因は
免疫細胞を生産する胸腺やリンパ球を生産する脾臓の委縮が進んでしまう
癌細胞等を直接攻撃してくれるNK(ナチュラルキラー)細胞の働きが15才前後をピークに低下してしまう
etc.
です。

腸内環境悪化による低下

免疫細胞の約7割は腸に存在していると言われています。

外敵の侵入口という事で防衛の最前線ですから当然かもしれません。

ということで腸内環境が免疫力に与える影響は多大です。

腸内環境が良ければ免疫細胞は活性化し十分に働いてくれますが、悪化すれば活力を失い不活性化、結果的に免疫力は低下してしまいます。

・乾燥肌、ニキビ
・便秘
・花粉症、アトピー性皮膚炎等のアレルギー症状

もし上記のような症状が出ている場合は腸内環境が悪化している可能性がありますので要注意です。

腸内環境の善し悪しは腸内細菌の状態に大きく左右されます。

ということでまず腸内細菌について簡単に触れておきます。

腸内細菌(腸内フローラ)

人の腸内には資料によっても異なりますが数にして100兆個~1000兆個、数多くの種類の細菌が存在しています。重量にして約2kg、微小な細菌の塊が2kgダンベルと同じ位の重さ、凄い世界ですね。

ちなみに、最近「腸内フローラ」と言う言葉をよく目にします。

腸は広げるとテニスコート1面分位の広さがあるそうで、そこにあたかもお花畑(フローラ)のようにいろいろな種類の色とりどりの細菌が数多く存在する事から腸内細菌は腸内フローラと呼ばれるようになったようです。

父が大腸がんで亡くなったので私は2~3年に一度腸内内視鏡検査をしてもらっています。
その際、先生によっては検査映像を見えながら説明してくれるのですが、その映像を見る限りではメルヘンの世界とは程遠いものでしたが、、、
ミクロの世界となると別世界なのでしょう。

細菌と言うとどうしてもばい菌のイメージが強いですが、フローラと言われると、、、
大事にしてあげなければと思えてくるから不思議なものです。ネーミングは大事です。

その腸内細菌、大別すると善玉菌、悪玉菌、日和見菌に分類できます。

それぞれの菌の概要です。

善玉菌

主な菌  :・ビフィズス菌(善玉菌の多くを占める、大腸に存在、加齢により減少)
      ・乳酸菌(小腸、大腸に存在)
主な役割 :・病原菌等の腸内侵入防御
      ・免疫機能活性化
      ・乳酸産生(ビフィズス菌、乳酸菌)
      ・ビタミンB産生(ビフィズス菌)
      ・酢酸産生(ビフィズス菌)
      ・腸内酸性化(ビフィズス菌の産出する酢酸の作用)
体への影響:・健康維持
      ・老化防止

悪玉菌

主な菌  :・ウェルシュ菌
      ・ブドウ球菌
      ・大腸菌(有毒株)
主な役割 :・タンパク質腐敗
      ・発がん物質等有害物質産生
      ・腸内アルカリ性
体への影響:・健康阻害
      ・老化促進

日和見菌(中間菌)

主な菌  :・バクテロイデス
      ・大腸菌(無毒株)
      ・連鎖球菌
主な役割 :・特に無
体への影響:・特に無

通常の腸内環境におけるそれぞれの菌の割合は概ね
善玉菌が2割、悪玉菌が1割、日和見菌が7割
です。

腸内環境が悪化した状態では、このバランスがくずれ善玉菌が減少し悪玉菌が増加しています。

加齢により善玉菌のビフィズス菌は減少し、悪玉菌は増加していきますので老化に伴い腸内環境はますます悪化しやすくなっていきます。

上記では日和見菌の役割は特に無としましたが、この日和見菌が少々くせものです。

善玉菌と悪玉菌のバランスがくずれると通常状態ではなんの役割も持たないはずの日和見菌が腸内環境に関わってきます。

日和見菌、善玉菌が優勢と見れば善玉菌の味方をしてくれますが、逆に悪玉菌が優勢と見れば悪玉菌の味方になってしまします

まるで戦国時代の弱小大名さながらです。

善玉菌と悪玉菌の戦いを、当初は傍観、形勢を見て有利な方につくなんとも優柔不断なる存在、日和見菌と呼ばれている所以です。

腸内環境が良好な時はいいのですが、一旦悪化方向に傾くとこの日和見菌の存在の為に腸内環境の悪化の度合はさらに高まり、結果として免疫機能の活性化が大きく妨げられ免疫力の低下を招いてしまいます。

腸内細菌の概要がわかったところで、腸内環境を悪化させてしまう主な要因についてみていきましょう。

腸内環境を悪化させる主な要因

要因としては

老化
便秘
ストレス
タンパク質の過剰摂取
抗生物質の乱用
冷え

等が考えられます。

順にみていきます。

老化

加齢により腸内環境を健全に保ってくれる善玉菌(ビフィズス菌)の数は減少していき、逆に悪化させてしまうウェルシュ菌等の悪玉菌は増加していきます。

便秘

便秘は腸内環境の悪化の結果でもありますが、有害物質を体内に長期間滞留させてしまいますから腸内環境をさらに悪化させてしまう要因の一つでもあります。

ストレス

ご存知のように腸の活動は自律神経の支配下にあります。

副交感神経は腸の活動を活発にし、逆に交感神経は腸の活動を抑制してしまいます。

強いストレスを感じている状態は交感神経優位ですから腸活動は抑制され、結果的に腸内環境は悪化してしまいます

抗生物質の乱用

抗生物質は病気の原因となる細菌を殺したり、増殖を抑制したりしてくれる有難い存在ですが、大きな欠点の一つは体に有用な細菌も同時に殺してしまう可能性があることです

腸内の善玉菌も被害者となり善玉菌が減少してしまいますので抗生物質の乱用は腸内環境の悪化を招く可能性があります。

タンパク質の過剰摂取

体にとって主要な栄養素であるタンパク質不足はいろいろな弊害を生みますから、気を付けたいところですが、逆に過剰な摂取も問題です。

小腸で消化吸収されなかったタンパク質は悪玉菌の大好物です。

肉類等タンパク質の過剰摂取により活性化された悪玉菌はどんどん増殖、アミン、アンモニア、インドール等の有害物資を大量に産出してしまいます

その中には発がん性物質を含むものも存在します。

食生活の欧米化が大腸癌増加の大きな要因の一つにもなっている事も周知の事実です。

又、余分なタンパク質は分解されて窒素になり余分な窒素はさらに分解されてアンモニアを作り出してしまいます。

アンモニアは体に毒ですから肝臓はアンモニアを無害化し尿素に、尿素は腎臓の働きで尿として対外に排出されます。

タンパク質の過剰摂取を続けてしまうと肝臓と腎臓にも余計な負担をかけ続ける事になり臓器自体がダメージを受けてしまいます

冷え

冷えは万病の元。

体の冷えは腸の活動も抑制してしまいます。

腸に限らずその他の臓器の働きも不活性化してしまいますから要注意です。

ストレスによる低下

免疫機能自体も自律神経の影響を受けやすいシステムです。

免疫機能の主役を担うリンパ球(B細胞、T細胞、HK細胞)の加減は自律神経のコントロール下にあります

強いストレスを受けると自律神経のバランスが崩れ、交感神経優位の状態に陥ってしまいます。

そうなると、

免疫機能の主役を担うリンパ球の数が減少して体を守ってくれる防衛隊の戦力がダウンしてしまいますし、血管が収縮し血流は阻害されて前述の低体温と同様の結果を招いていまいます。

又、強いストレスを受けるとストレスホルモンが分泌されますが、その中の一つコルチゾールは免疫機能抑制作用を有しています

コルチゾールは副腎皮質で産出されるステロイドホルモンで、皮膚に湿疹、発疹等が出来てしまった時にその炎症を抑制する薬として処方されます。

炎症は、免疫システムが体内に侵入した外敵を排除する為に引き起こす大事な防衛本能の一つですので、炎症を抑制するということは免疫力を低下させていることになります。

コルチゾールが増えすぎると、外敵に対応する能力が低下し風邪やインフルエンザに感染しやすくなってしまうわけです。

低体温による低下

最近、若い方(特に女性)の平熱の低体温化が問題視されています。

50年前と比べて平均で0.7度程度下がっているそうです。

平熱が35度台の方もかなり多いとか。

低体温は血流を悪くしてしまう大きな要因の一つです。

血流が悪くなってしまうと体内を駈け巡って外敵を攻撃してくれる前述のNK細胞や好中球の活動を阻害してしまうことになり自然免疫機能自体を低下させてしまいます。

さらに悪いことに、低体温は熱に弱い癌細胞を活性化してしまいます。

睡眠不足による低下

睡眠の大きな役割の一つが免疫力の増強です。

B細胞の抗体の産出等の免疫機能は睡眠時に活性化されますので、良質な睡眠が得られない状態が続けば免疫機能も低下してしまいます。

栄養不足による低下

筋肉の主体がタンパク質であるように免疫細胞の主体もタンパク質です。

タンパク質が不足してしまえば良質な免疫細胞を作り出すことができません

通常、バランスの良い食事を心掛けていれば、蛋白質不足になる事はないと思いますが、肉や魚が嫌いで、ごはん、パン、パスタ、お菓子等ばかり食べているような場合は要注意です。

ダイエット大作戦のところでも触れましたが、ビタミンやミネラルも免疫細胞の活性化、抗体産出、免疫細胞を傷つけてしまう活性酸素を抑制する抗酸化作用等の機能を有していますのでそれらの不足も免疫機能の低下要因となります。

まとめ

 
以上、免疫力が低下してしまう要因についてみてきました。
思い当たる事がいくつかあったでしょうか?
次章ではどうすれば免疫力の低下を防ぎ、免疫力をアップできるかをみていきたいと思います。

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