心房細動:カテーテルアブレーション手術体験記(ブログ)②:入院~手術~退院、手術費用

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時の経過は早いものであっという間に入院日前々日。

指示通り、「ペプリコール」服用中止。

入院日前日、術後の腰痛対策の為に90分程マッサージを受けておきました。

入院期間ですが、私が手術を受けた病院では手術日の前日に入院、手術日の翌々日に退院の3泊4日が一般的なようです。
私の場合は月曜朝一の手術でしたので土曜日に入院した関係上、入院期間は4泊5日でした。

入院初日

快晴。
いよいよ入院日。

9:30、入退院ロビーで入院手続きをすませ、7階の病室へ。
病室へ向っていくと廊下の先は全面窓、青空をバックに六本木ヒルズ、ミッドタウンetcが聳え立つ風景が。
(この風景に入院中随分救われる事に)

病室は6人部屋。私を含めて5人入院中。

簡単な入院生活の説明を受けた後、左手に点滴用の針がセットされ、いよいよ危惧していた第一関門の経食道心エコー検査に。

この検査、通常の心エコー検査では心臓の前面しか検査できないので、口から食道に胃カメラのように管を入れて心臓の裏側の血管に血栓が出来ていないかを見る検査、ネットでの体験談を見ると結構辛かったという体験談が多く心配していた事の一つ。

しかし、結果的には、その心配は杞憂に。

不安な方も多いかと思いますので、検査の流れを。

・検査着に着替え、ベッドのまま検査室に運ばれました。

・まず、仰向けでのど周辺を麻痺させるジェリー状の薬を口に含まされ、しばらく飲み込まないよう指示を受けます。

・5分位だったかな?飲み込むよう指示。ねっとりしているので飲み込むのが少々やっかい。

・turn leftで側臥位に、顔面下にシーツを敷かれ、口には口が閉じないようにする為の容器を嵌められテープらしきもので固定。

・胃カメラは鼻から入れるものしか経験がなかったので、苦しいのだろうなと思いながらも観念。オエオエして、涙を流しながら耐えるしかあるまいと覚悟。

・ところがところが「これから静脈から眠くなる薬入れますよ」という先生の言葉を最後に、意識がなくなり、気づいた時には、ベッドに仰向けになって大の字で寝ていました。最初は何がおきているのかわからず唖然。検査には30分前後はかかっているはずですが、その間の記憶は全く無、、、ラッキー~の一言。

ということで経食道心エコー検査、鎮静剤が効きやすい人、そうでない人で違いはあるのでしょうが、それほど心配する必要はないかと思います。

もし、この検査で血栓が見つかれば手術は中止でしたが、血栓は見つからなかったようで、取り敢えず第一関門通過!

その後、手術同意書を作成するということで、家族共々別室で先生から手術の概要、リスクの説明を受け手術同意書にサイン。

家族、帰宅後、昼食。

人生初の病院食。
献立は、
麦ごはん、タラのカス漬け焼き、レンコンの煮つけ、山芋、パイナップル

なんとも、、、シンプル。

午後は採血、レントゲン、心電図検査と続き、取り敢えず本日の予定は終了。

テレビを見たり、持ち込んだ本を読んでなんとか時間をつぶし、夕食。

献立は、
ごはん、鶏肉のから揚げ、五目豆腐、インゲンの胡麻和え、サラダ

21:00 消灯、なかなか寝つけず、22:00位就寝。

入院2日目

4:30 目覚めるも何もすることがなくベッドでウダウダ。

私が入院したフロアーはカテーテルや内視鏡専門の手術室が同じ階にあるので、どうもカテーテルや内視鏡の手術を受ける人たちのフロアーのようで、夜、術後の痛みで大きな声で叫ぶ声とかが聞こえてこなかったので助かりました。

ただ、いびきはそれなりにあちこちからすごかったですが。(笑)
神経質な方は耳栓が不可欠かもしれません。

入院2日目は日曜日、月曜日の朝一番の手術という事で土曜日入院となったので、予定は何もなし。

8:00 朝食
献立
バターロールのようなパン2個、ジャム、スモークチキンサラダ、オレンジ2切れ、ヨーグルトドリンク

、、、どう考えても足らない!腹3分。

午前中に同室の二人の方が退院。

12:00 昼食
献立
麦ごはん、鰆の梅醤油焼き、ジャガイモのそぼろ煮、白菜の辛し和え

17:00 シャワータイム
右付け根の周辺の毛を剃るようにと看護婦さんから指示。
渡された電動バリカンでチャレンジするもすっきりいかないので、持って行った使い捨て髭剃りでジョリジョリ。
ベッドに戻ると看護婦さんのチェック、「完璧です!」の一言、「よっしゃ!」。

18:00 夕食
献立
ごはん、手作りカレー、サラダ、バナナ1本

最後の晩餐になるやもしれないのに、、、少々、寂しいメニュー。
と言って、最後の晩餐だったら何を食べたかったのかと自分に問うても、特に浮かんでこず。
欲が無くなったのか?そういう心境ではないのか?

いよいよ明日は本番!

入院3日目(手術日)

快晴。
抗凝固剤服用停止、朝食無。

7:00 手術着に着替え手術用点滴開始

8:00 病室ベッド上で手術準備

いよいよ第二関門、手術本番よりも気になっていた尿管挿入

先生と若い看護婦さんが担当。
看護婦さんにパンツを脱がされ、あらわな姿に。

先生が愚息の先端にジェリー上のものを塗ると、「ちょっと痛いですよ」と一声。観念!
ムニューという感じで挿入、痛みはあったもののほんの一瞬、それよりもなんとも言えない違和感が気持ち悪く。
膀胱まで管が届いているらしいので仕方なし。

なんとか第二関門通過!

いよいよ本番だ。

8:30 歩いて廊下の反対側の手術室に。

部屋には手術準備をする先生達が4、5人、部屋の奥はガラス張りのブースのような部屋があり、そこにはモニターを見ている先生が2、3人。

手術台に腰かけてから仰向けになるようにとの指示。
手術台はかなりせまく肩幅位、左側下方には10台位のモニターずらり、カテーテルや内視鏡専用の手術台なのかもしれません。

転落防止に両手はベッドに括り付けられました。

まさに「まな板の上の爺」。

電極らしきものが次々に体につけられていきます。

手術担当の看護婦さんが、笑顔で「大丈夫ですからね」と優しく声をかけてくれたおかげでホッ、天使に見えました。

焼灼の影響で食道が一定以上の高温になると弊害がでるので、食道に温度計を入れて温度管理をするのですが、管を鼻から挿入しようとする作業中に静脈麻酔が効いてきたのかそこから意識が無くなりました。

その後、覚えているのはたぶん術前に執刀医のT先生がなにか声をかけて下さったのと、術中に1度目覚め何かごそごそされているなと思ったくらい。

あとは全く記憶なし、目覚めた時には手術は終了していました。

たぶん11:10頃に手術は終了。手術時間は2時間半前後、その後、傷口の圧迫固定等の手当を受けた後、

11:30頃 歩いて病室へ戻りました。

ということで、本番中は痛みは全く感じず、ネットであった肉の焼けるような臭いもすることなく、その辺はまったくもって楽な手術でした。

先生と看護婦さんにただただ感謝。

術後、先生から説明を受けた家内の話によると、思ったよりも症状は進んでいて心房も肥大、肺静脈からはかなり異常刺激が出ていたそうです。

肺静脈隔離術で肺静脈からの信号は遮断、その他の部位については一通り検査しても現時点では異常興奮は見つからなかったそうですが、念の為ということで左心房の3箇所を線状焼灼しておいたとの事でした。

12:00 昼食

さすがに、食欲は無く、看護婦さんの話では無理して食べて吐いてしまう人も多いという事で、手をつけず。

その代わり看護婦さんのアドバイスでウィルダーを買っておいたので、それを1/3程、飲んで昼食は終了。

さて、ここからがしばらくは体を動かしてはいけない時間、腰痛等との戦いです。
これは動けるようになってから気がついたのですが、事前に腰痛持ちである事は看護婦さんにお伝えしてあったので、腰にはジェル状の枕が敷かれていました。このおかげでかなり腰痛は軽減されていたのかもしれません。感謝。

18:00 夕食
献立
小さなおにぎり3個、イワシの南蛮漬け、肉じゃが、ヨーグルト

家内は帰宅していたので、看護婦さんに食べさせてもらってほぼ完食。
さすがに朝から食べていなかったのでお腹が空いていたようです。

この時点では、体は動かせないので多少しんどかったですが、傷の痛みもなく、麻酔の影響かボーとしていたのが薄れ、気分はまあまあの状態。

ところが
20:00頃 急にお腹がはったと思ったら吐き気、動いてはいけないのに吐いたら面倒になると、なんとか我慢して、ナースコール。
看護婦さん、すぐベッドの上体部分を少し上げてくれて、ほぼ吐き気解消、よくあるとの事でした。危機一髪。

21:00 消灯

事前に催眠導入剤を点滴に入れておいてもらったせいか、即就寝。
取り敢えず3:00位まで寝られました。

が、それからが長い長い。
全く寝つけず、おまけにこのころから37.5度くらいの熱が出始め、頭がボ~、体はガチガチ。

ある意味、火傷している状態なのでかなりの確率で熱が出るとの看護婦さんの話でした。

まるで田舎のたんぼのカエルの合唱のように、部屋のあちこちこちから聞こえてくるいびきを聞きながらただただ時間の経過を待つのみでした。

入院4日目

8:00 圧迫止血と尿管挿入から解放され、やっと20時間の仰向け拘束状態から自由の身に。
ネットの情報では止血の為の拘束は通常8~10時間位でしたから、看護婦さんに言えばもっと早く解放されたのかもしれませんが結果的に長時間になってしまいました。

本当に長い1日でした。

10:30 心電図とレントゲン検査

この時点で体温37.7度とやや上昇

12:00 昼食

12:30 執刀医のT先生が顔を出して下さり手術結果についての詳細説明を受けました。
再発の可能性を極力つぶしていただいたとの事。ただただ感謝あるのみです。

14:00 病室担当のT先生(執刀医のT先生とは別の術前の経食道心エコー検査をしていただいた先生)から退院後の検査、診察スケジュールについて説明を受けました。いろいろ手配していただきこちらも感謝です。

16:00 友人が見舞いに来てくれたので、点滴を引っ張りながら、上階のレストランへ。
東京タワーを眺め、コーヒーを飲みながらの談話でホッと一息。手術が終わったんだという安堵感に包まれました。
短い時間ながら、いい気分転換に。来てくれた友人に感謝。

18:00 MRIでの脳検査。最後の検査。脳梗塞の有無を確認するのでしょうか?
初めてのMRI、家内から狭くて騒がしいとは聞いていたものの、実際は想像以上の音と振動にびっくり。このまま機械が壊れるのではと思うくらい、恐るべしMRI。

検査後、夕食、完食。

21:00 消灯。体温は37.4度、昼間よりも若干下がる。

夜はほとんど寝れず。

入院5日目(退院日)

7:00 体温36.7度とほぼ正常値に。熱のせいかボ~とした状態がつづいていたので気分爽快。

缶コーヒーが飲みたくなったので、自動販売機のある上階へ行ってみると、窓の外には朝日を浴びた東京タワーが。
やはり東京タワーは味わいがあっていいもんだ。ということでパチリ。

8:00 朝食
献立
パン2個、サラダ、チーズ、牛乳

10:30 会計処理が終了したということで看護婦さんが診察カードを届けにきてくれました。
手術担当の看護婦さんで手術前は優しく声掛けしてくれてメンタルを支えてくれたのですが、最後は病室前でお大事にと笑顔で手を振って送ってもらいました。

5日で5~6人の20代前半の看護婦さんにお世話になりましたが、皆さんの笑顔には入院中本当に救われました。

本当に感謝、感謝でした。

1階の入退院ロビーの自動精算機で清算。

玄関を出て振り返ってみれば、5日間お世話になった入院棟が。先生、看護婦さん、大変お世話になりました。ただただ感謝です。

手術も取り敢えず成功したという満足感と、やっと帰れるという解放感を感じながら帰途についた次第です。

入院費用

総医療費は点数にして約230,000点、金額にすると × 10円で約230万円でした。
けっこうな額にびっくり、明細を見てみると、心腔内超音波プロープが一番高くて、146,402点、手術自体の点数より高い、心腔内超音波プロープ?WHATと調べてみると3Dマッピングが可能な心腔内磁気センサ付き超音波エコーカテーテルとのことでした。

さて、支払いですが、通常は230万円の3割負担ということで約70万円位支払わなければならないところ、健康保険限度額適用認定証を事前に提出しておいたおかげで実費分も含めて7万円以内で収まりました。

健康保険限度額適用認定証を提出しておけば、平成29年1月時点では、所得区分によって、少ない方で35400円、多い方でも約27万円の支払いで済みます。

術前の検査等の費用、薬代、入院費、交通費を合計すると退院時までに約12万、術後もなんやかんやで10回程度は通院しなければならないでしょうから、このまま再発無でいってくれれば総支出は約20万前後になるのかと思います。

まとめ

以上、入院~退院までの体験記でした。

術後の予定としては、現時点で3か月検診位までの定期的検査、検診がスケジュールされています。
その結果等につきましては、検診の都度記事をアップできればと思っています。
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