心臓細動と診断されてから約3年が経過、今回、心房細動カテーテルアブレーション手術を無事に終える事ができました。
私の場合は慢性化してからの手術ということで1回目の手術での完治率は40%と言われていますので、完治できたか否かの判断には、少なくとも半年間位のスパンが必要なのかもしれませんが、取り敢えず今のところは心房細動は止まりホッとしています。
そして手術を決断して本当に良かったというのが現在の心境です。
心房細動の診断を受けてから手術の決断をするまで、私自身、いくつかの悩みや迷いを抱えていました。
同じような思いをされている方も多いかと思いますので、体験者の立場からいくつかアドバイスをさせていただければと思います。
私が悩んでいたのは次のような事です。
1.心房細動カテーテルアブレーション手術は辛くはないのだろうか?
2.心房細動カテーテルアブレーション手術は受けるべきか否か?
3.受けるとすればどの病院で受ければいいのだろうか?
順に説明していきます。
Contents
心房細動カテーテルアブレーション手術は辛くはないのだろうか?
結論から言えば、幸運にも手術前に危惧していたことはほとんど杞憂に終わりました。
私が心配していた事は主に、
1.術前の経食道心エコー検査の辛さ
2.尿管挿入時の痛みと恥辱
3.手術本番での痛み
4.術後、動けないことによる腰痛
の4点でした。
手術による合併症の問題については、東京JK病院では、症例約2500例中、死亡はゼロ、脳梗塞4例、心タンポナーゼ20例ということでしたので、なってしまった場合はアンラッキーぐらいにしか考えていませんでした。
術前の経食道心エコー検査の辛さ
ネットの体験談では、相当辛いという記述がかなりあったので、検査前はかなり身構えましたが、検査中、静脈麻酔が効いていて検査の記憶がまったく無。
(詳細については体験談に記述しましたので、そちらを見ていただければと思います。)
ということでノープロブレムでした。
尿管挿入時の痛みと恥辱
確かに挿入時少々痛みはありましたが、一瞬でした。恥ずかしさの方もその場になってしまえばまな板の上の鯉。
膀胱まで管が入っているらしいのでなんとも言えない不快感はありましたが、、、
ということでこれもノープロブレムでした。
手術本番での痛み
ネットの体験談で術中目覚めてしまい痛みと臭いが苦痛だったという記述があったので、心配でしたが、術中一度目覚めたものの、覚えているのは右側の腰のあたりに先生らしき人がいたような映像のみ。
又、すぐ寝入ってしまったようで、痛みも臭いも全く無、気がついたら終わっていました。
術後、止血の為に動けないことによる腰痛
入院前に調べたところによると、鼠径部の圧迫帯での固定安静時間は4~8時間位でしたので、8時間位となるとキツイかなと心配していたのですが、、、
結果的には、昼の12時から翌朝8時に圧迫帯が外され尿管挿入が解除になるまでの約20時間、夕食後しばらくして急に吐き気を催した時に看護婦さんに頭の部分を高くしてもらった以外は仰向けのままほとんど動かずに過ごすことに。
それなりに体は辛かったのですが看護婦さんに動いていいとも言われなかったので健気に頑張ってしまいました。
熱が出ていたのであまり動きたくなかったのかもしれません。
腰痛に関しても思っていたより軽度で済みました。
事前に腰痛がある事を申告していたおかげで、ジェル状の枕が敷かれていたことと、入院前に入念にマッサージをしてもらったことが良かったのかもしれません。
腰痛持ちの方はこの2点を押さえておくとかなり違うと思います。
長い拘束時間のおかげかどうかはわかりませんが、カテーテル挿入部の傷に関しては痛みは全く無くほぼ出血もなく、現在、4つの赤い点が残っているだけです。
心房細動カテーテルアブレーション手術は受けるべきか否か?
私としては、受けるべき、そしてそれもできるだけ早い段階で受けるべきだと思っています。
今回、手術を終え、唯一、後悔していることは、手術の決断が遅過ぎたということです。
私の決断が遅くなって理由は、主に次の3点です。
1.心房細動に対する認識が甘すぎた。
2.性格が災いした。
3.手術の結果に対する不安が強かった。
順に説明していきます。
心房細動に対する認識が甘すぎた。
心房細動の診断を受けた時点では、たま~に体がだるくなる程度で、日常生活にほとんど支障がなく、不整脈の自覚症状もあまりなかったせいで危機感が欠如していました。
薬では治らない、完治には手術は必要と頭では理解していましたが、辛い自覚症状がほとんど無かったせいもありその時点ではスルー。
後日、執刀医T先生の診察を受けた時、かなり心臓が肥大してしまっている、2年前に来てくれれば1回目の手術での完治率は80%前後だった旨の説明を受けた時、初めて、心房肥大を意識、不可逆性でもとには戻らないというお話を伺って事の深刻さを認識し、このままではまずいと思った次第です。
地元の先生の診察では、心房肥大については全く説明がありませんでした。
確かに2度目の24時間ホルター検査、この時点では発作性でしたが1日に打った脈拍数は約10万回、3度目の検査、この時点では慢性に移行してしまっていましたが脈拍数は約12万回と12%も増加していました。
頻脈により心臓へより負荷がかかり心房が肥大してしまったのでしょう。
地元の先生が心房肥大について一言アドバイスをしてくれていれば流れは違った気がします。
性格が災いした。
私の短所、優柔不断な部分が影響したというところもあります。
やはり、手術は不安で怖い、特に初めての手術でしたのでついつい先送りしてしまいました。
手術の結果に対する不安が強かった。
手術しても必ず完治するわけではなく、駄目なら再手術が必要でそれでも治らない事があるという点が不安でした。
上記のようないくつかの要因が重なって結果的に決断が遅れてしまったわけですが、、、
細動症状が続けば、発作性から持続性、そして慢性へとほぼ確実に進行してしまいます。
そして、その負担から心房は肥大していくだけです。一旦、肥大した心臓は元には戻りません。
左心房経が5㎝以上になってしまうと手術に成功しても再発のリスクがかなり高くなるともいわれています。
抗不整脈剤や電気ショックで取り敢えず症状が治まる場合もあるようですが根治治療ではないので、できれば早い段階で受けておいた方がベターかと思います。あくまでも私見ですが。
受けるとすればどの病院で受ければいいのだろうか?
さて、手術の決断はしたものの、どの病院で受けたらいいのか?ずいぶん悩みました。
私はネットで治療実績を調べ、体験談や関連本を読み、最終的に新橋の東京JK病院に決めたわけですが、結果的には大正解だったと思っています。
私は東京JK病院とはこれまでに全くかかわりがありませんでしたし、かかりつけの先生も近くの国立大出ですので通常ですとそちらの附属病院に紹介されるところをこちらからお願いして東京JK病院に紹介状を書いてもらったくらいですのでノーコネクション。
決定要因は純粋に次の3点のみでした。
1.アブレーションの権威の先生がいらっしゃって、かつ治療実績の多い病院
当たり前の理由ですね。
権威の先生に執刀してもらえるかどうかは別として、そのような病院はノウハウも豊富で手術室もカテーテル治療専用のものを持っている(東京JK病院も専用でした。)可能性が高いですし、細かい作業ですから執刀医の慣れも必要ということで治療実績数はやはり評価ポイントが高いかと思います。
治療実績についてはCALOOというサイトである程度把握できます。こちらからどうぞ
2.日本不整脈心電学会認定の不整脈専門医が在籍する病院
心臓手術といっても千差万別、やはり不整脈専門の先生の方が安心できるだろうということで条件の一つに入れました。
私の執刀医T先生も不整脈専門医の資格者でした。
日本不整脈心電学会認定の不整脈専門医リストはこちらで確認できます。
3.交通アクセスのいい病院
どんなにいい病院でも交通アクセスが悪いと術前、術後の通院がかなり負担になってしまいます。
私の場合、入院以外で、術前に3回(通常は2回)は通院しましたし、術後の3か月検診までに既に6日間、通院するスケジュールになっています。内2回は24時間ホルターですので、装着した翌日に外しに行かなければなりませんから、アクセスが悪いとかなりの負担になるかと思います。術後の予後が悪かったりすればなおさらです。
ということで、できればですが自宅から3時間位までの範囲の中で、1.と2.の条件に合った病院の中から選択していくということになるかと思います。
と言っても地方ではそのような条件に合致する病院がなかなか見つからない場合もあるかと思います。
仕方なく遠方の病院を選択せざるを得ない場合は、遠方である事情を先生に説明して通院時の検査、診察についてはある程度まとめてもらって通院負担を減らしてもらうか、検査だけは地元の病院でしていただいて検査結果を預かって診察時に提示して判断してもらうことになるのかと思います。