心房細動:カテーテルアブレーション体験者からのアドバイス①:心房細動と診断された方へ

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心臓細動と診断されてから約3年が経過。

2017年1月に心房細動カテーテルアブレーション手術を無事に終える事ができました。

私の場合は慢性化してからの手術。

1回目の手術での完治率は40%と言われていました。

完治できたか否かの判断には少なくとも半年間位のスパンが必要なのかもしれませんが、今のところは症状は止まってくれているのでホッとしているところです。

「手術を決断して本当に良かった。」というのが現在の心境です。

心房細動の診断を受けてから手術の決断をするまで、私自身かなり悩みました。

同じような思いをされている方も多いかと思いますので、体験者の立場からいくつかアドバイスをさせていただければと思います。

私が悩んでいたのは次のような事です。

1.心房細動カテーテルアブレーション手術は辛くはないのだろうか?

2.心房細動カテーテルアブレーション手術は受けるべきか否か?

3.受けるとすればどの病院で受ければいいのだろうか?

順に説明していきます。

心房細動カテーテルアブレーション手術は辛くはないのだろうか?

結論から言わしていただければ、

幸運にも、手術前に危惧していたことはほとんど杞憂に終わりました

主に私が懸念していた事は、

1.術前の経食道心エコー検査の辛さ

2..尿管挿入時の痛みと恥辱

3.手術本番での痛み

4.術後、動けないことによる腰痛

の4点でした。

手術による合併症の問題もありましたが、東京JK病院では症例約2500例中、死亡はゼロ、脳梗塞4例、心タンポナーゼ20例、なってしまった場合はアンラッキーぐらいにしか考えていませんでした。

術前の経食道心エコー検査の辛さ

ネットの体験談を読むと相当辛いという記述がかなりあり。

検査前はかなり身構えてしました。

しかし、有難いことに静脈麻酔が効いていたらしく検査中は爆睡、検査の記憶は皆無
(詳細については体験談に記述しましたので、そちらを見ていただければと思います。)
ということでノープロブレムでした。

尿管挿入時の痛みと恥辱

確かに挿入時少々痛みはありましたが、それも一瞬。

恥ずかしさの方もその場になってしまえばまな板の上の爺

膀胱まで管が入っているらしいのでなんとも言えない不快感はありましたが、、、

ということでこれもノープロブレムでした。

手術本番での痛み

ネットの体験談には術中に覚醒、痛みと臭いが苦痛だったという記述がありました。

それは勘弁です。

かなり不安でしたが杞憂に終わりました。

術中一度目覚めたものの、覚えているのは右側の腰のあたりに先生らしき人がいたような映像のみ。

又、すぐ寝入ってしまったようで、痛みも臭いも全く無、気がついたら終わっていました

術後、止血の為に動けないことによる腰痛

入院前に調べたところによると、鼠径部の圧迫帯での固定安静時間は4~8時間位。

8時間となるとキツイかなと心配していたのですが、、、

結果的には、

私の場合は昼の12時から翌朝8時に圧迫帯が外され尿管挿入が解除になるまで約20時間、夕食後しばらくして急に吐き気を催した時に看護婦さんに頭の部分を高くしてもらった以外は仰向けのままほとんど動かずに過ごすことに。

それなりに体は辛かったのですが看護婦さんに動いていいとも言われなかったので健気に頑張ってしまいました。

熱が出ていたのであまり動きたくなかったのかもしれません。

腰痛に関しては思っていたより軽度で済みました。

事前に腰痛がある事を申告していたおかげでジェル状の枕が敷かれていたことと、入院前に入念にマッサージをしてもらったことが良かったのかもしれません。

腰痛持ちの方はこの2点を押さえておくとかなり違うと思います。

長い拘束時間のおかげかどうかはわかりませんが、

カテーテル挿入部の傷に関しては痛みは全く無く、ほぼ出血もなく、

現在、4つの赤い点が残っているだけです。

心房細動カテーテルアブレーション手術は受けるべきか否か?

私見ですが受けるべきかと、

それもできるだけ早い段階で受けるべきだと思っています。

今回、手術を終え唯一後悔していることは、

手術の決断が遅過ぎたということです。

私の決断が遅くなって理由は、主に次の3点です。

1.心房細動に対する認識が甘すぎた。

2.性格が災いした。

3.手術の結果に対する不安が強かった。

順に説明していきます。

心房細動に対する認識が甘すぎた。

心房細動の診断を受けた時点ではたま~に体がだるくなる程度。

日常生活にほとんど支障がなく不整脈の自覚症状もあまりなかったせいで危機感が欠如していました。

薬では治らない、

完治には手術は必要、

頭では理解していました。

しかし、辛い自覚症状がほとんど無かったせいもありその時点では放置プレー。

後日、執刀医T先生から、

かなり心臓が肥大してしまっていること、

そしてもっと早く来院してくれれば1回目の手術での完治率は80%前後だったこと等の説明を受けた時、初めて心房肥大ということを意識。

心房肥大は不可逆性でもとには戻らないというお話を伺って事の深刻さを認識し、このままではまずいと思った経緯があります。

地元の先生の診察では、心房肥大については全く説明がありませんでした。

思い返してみれば、

2度目の24時間ホルター検査、この時点では発作性でしたが1日に打った脈拍数は約10万回、3度目の検査、この時点では慢性に移行してしまっていましたが脈拍数は約12万回と12%も増加していました。

頻脈により心臓へより負荷がかかり心房壁が肥大してしまったのでしょう。

性格が災いした。

私の短所、優柔不断な部分が影響したという点もあります。

やはり、手術は不安で怖い、特に初めての手術でしたのでついつい先送りしてしまいました。

手術の結果に対する不安が強かった。

手術しても必ず完治するわけではなく、駄目なら再手術が必要でそれでも治らない事があるという点が不安でした。

上記のようないくつかの要因が重なって結果的に決断が遅れてしまったわけですが、、、

細動症状が続けば、発作性から持続性、そして慢性へとほぼ確実に進行してしまいます。

その負担から心房は肥大していくだけです。

一旦、肥大した心臓は元には戻りません。

左心房経が5㎝以上になってしまうと手術に成功しても再発のリスクがかなり高くなるともいわれています。

抗不整脈剤や電気ショックで取り敢えず症状が治まる場合もあるようですが根治治療ではないので、できれば早い段階で受けておいた方がベターかと思います。

あくまでも私見ですが。

受けるとすればどの病院で受ければいいのだろうか?

さて、手術の決断はしたものの、どの病院で受けたらいいのか?

ずいぶん悩みました。

ネットで治療実績を調べ、体験談や関連本を読み、最終的に新橋の東京JK病院に決定。

結果的には大正解だったと思っています。

かかりつけの先生は近くの国立大出ですので通常ですとそちらの附属病院に紹介されるところをこちらからお願いして東京JK病院に紹介状を書いてもらいました。

決定要因は純粋に次の3点。

1.アブレーションの権威の先生がいらっしゃって、かつ治療実績の多い病院

当たり前の理由ですね。

権威の先生に執刀してもらえるかどうかは別として、

そのような病院はノウハウも豊富。

手術室もカテーテル治療専用のものを持っている(東京JK病院も専用でした。)可能性が高いですし、細かい作業ですから執刀医の慣れも必要。

ということで治療実績数はやはり評価ポイントが高いかと思います。

治療実績についてはCALOOというサイトである程度把握できます。こちらからどうぞ

2.日本不整脈心電学会認定の不整脈専門医が在籍する病院

一言で心臓手術といっても千差万別。

やはり不整脈専門の先生の方が安心できるということで条件の一つに入れました。

執刀医T先生も不整脈専門医の資格者でした。

日本不整脈心電学会認定の不整脈専門医リストはこちらで確認できます。

3.交通アクセスのいい病院

どんなにいい病院でも交通アクセスが悪いと術前、術後の通院がかなり負担になってしまいます。

私の場合、入院以外で、術前に3回(通常は2回)は通院しました。

そして術後の3か月検診までに6日間、通院するスケジュールになっています。

内2回は24時間ホルター、装着した翌日に外しに行かなければなりません。

アクセスが悪いと負担大。

術後の予後が悪かったりすればなおさらです。

ということで、

地方在住ですとなかなか難しい条件かもしれませんが、

できれば自宅から3時間位までの範囲の中で、

1.と2.の条件に合った病院の中から選択していくということがベターなのかと思います。

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