タンパク(蛋白)質とは
タンパク質は炭水化物、脂質と共に三大栄養素の一つで、20種類のアミノ酸が鎖状に多数連結した高分子化合物です。
蛋白質という名称の由来ですが、蛋白の蛋は卵のことで、卵の卵白の部分の主要成分ということで蛋白質と呼ばれました。
タンパク質の機能
主に次のような機能を担っています。
体の主要な構成要素
筋肉、臓器、皮膚のコラーゲン、毛髪のケラチン、血液のヘモグロビン、ある種のホルモン(ペプチドホルモン)、免疫の抗体、神経伝達物質等の体の主要組織の構成要素であり、その割合は人間の体の約20%を占めています。
体重が60kgの方であれば12kgがタンパク質ということになりますね。
参考までに下表は体の構成要素の割合です。
構成成分 | 割合(%) |
水分 | 60 |
タンパク質 | 20 |
脂質 | 15 |
糖質等 | 5 |
吸収・代謝に関与
消化酵素やホルモンの構成要素として吸収・代謝に関与しています。
体内の物質輸送
ヘモグロビンの構成要素として酸素の輸送に関与しています。
免疫機能
抗体の構成要素として免疫機能に向上に関与しています。
精神安定
神経伝達物質やビタミン、その他の重要な生理活性物質の前駆体ですから精神の安定にも寄与しています。
エネルギー源
酸化により1gあたり4kcalのエネルギーを産生できます。
タンパク質の消化・吸収
まず、
食物中のタンパク質は胃で胃液中の消化酵素ペプシンによって ぺプトンに分解されます。
次に
ペプトンは十二指腸で膵臓から分泌される消化酵素トリプシンによりポリペプチドに分解されます。
最終的に
ポリペプチドは小腸で小腸から分泌される消化酵素ペプチターゼによりアミノ酸に分解され、アミノ酸は小腸で毛細血管から吸収され組織を構成する細胞の材料となります。
タンパク質の必要摂取量
一般的な目安として日本人のタンパク質の推定平均必要量(g/kg 体重/日)は、0. 72(g/kg 体重/日)とされています。
1日あたりの必要量は
体重60kgの方であれば約43gということになりますね。
参考までに、「日本人の食事摂取量の概要(2015年度版)」のタンパク質の摂取基準からの抜粋した数値を掲載しておきます。
性別 | 男性 | 女性 | ||
年齢 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 推定平均必要量 | 推奨量 |
1~2 | 15 | 20 | 15 | 20 |
3~5 | 20 | 25 | 20 | 25 |
6~7 | 25 | 35 | 25 | 30 |
8~9 | 35 | 40 | 30 | 40 |
10~11 | 40 | 50 | 40 | 50 |
12~14 | 50 | 60 | 45 | 55 |
15~17 | 50 | 65 | 45 | 55 |
18~29 | 50 | 60 | 40 | 50 |
30~49 | 50 | 60 | 40 | 50 |
50~69 | 50 | 60 | 40 | 50 |
70~ | 50 | 60 | 40 | 50 |
妊婦(加算値) | ||||
初期 | 0 | 0 | ||
中期 | 5 | 10 | ||
後期 | 20 | 25 | ||
授乳期(加算値) | 15 | 20 |
炭水化物のごはん一杯(150g)中にも4g弱のタンパク質が含有されています。
仮にダイエット前にはちょうどタンパク質の必要量を満たす食事をしていたとします。
そこで糖質制限ということでごはん一杯を抜くだけのダイエットを開始して継続した場合、日々タンパク質の欠乏状態が続いてしまうことになり健康状態を損ねてしまう可能性があります。
そうならない為にも不足した分は低カロリー高蛋白質の食品やプロテインで補充してやることを心掛けて下さい。
次にタンパク質の欠乏が体に与えるダメージについてみていきましょう。
タンパク質の欠乏
無理なダイエット等でタンパク質が不足してしまうと
・筋肉の減少
・肌荒れ、髪のトラブル
・精神不安
等を引き起こしてしまう可能性があります。
順に見ていきましょう。
筋肉の減少
体内に糖質があれば糖質が最初にエネルギーとして利用されるのですが、糖質制限等で糖質が不足してしまうと筋肉中のタンパク質がエネルギー源として利用されてしまいます。
結果、筋肉の減少を招いてしまいます。
筋肉が減少してしまえば基礎代謝も減ってしまいますから減量が難しくなりますし、リバウンドの原因にもなります。
肌荒れ、髪のトラブル
前述しましたがタンパク質は皮膚のコラーゲンや毛髪のケラチンの構成要素です。
タンパク質不足はコラーゲンやケラチンを減少させ結果的に肌荒れや髪のトラブルの原因となってしまいます。
精神不安定
アミノ酸は神経伝達物質の前駆体ですからタンパク質不足で精神安定作用を持つセレトニンの生成が抑制されてしまいますと結果的に精神のバランスを崩してしまったり集中力や思考力の低下を招いてしまいます。
健康の為のダイエットが、逆の結果を生んでしまっては元も子もありません。
さて、タンパク質の過剰摂取についてはどうなのでしょうか?押さえておきましょう。
タンパク質の過剰摂取
いくら体に必要不可欠なタンパク質と言えども、むやみやたらに摂り過ぎては弊害も出てしまいます。
目安ですが、1日に人間が分解できるタンパク質の量(限界摂取量)は体重1kg当り2g程度と言われています。
体重60kgの方であれば120gです。
処理能力には個人差がありますから一概には言えませんが、この数値以上の量を摂取しても体に吸収されずに体外に排出されてしまうということになります。
分解・吸収されたとしても過剰摂取が続くと次のような弊害が出てしまう可能性が考えられます。
・余分なタンパク質は予備のエネルギーとして体脂肪として蓄積されてしまいますので、結果的に体重が増加。
・タンパク質の分子構造は複雑ですので分解・吸収時に腎臓や肝臓に大きな負担をかけてしまい腎臓・肝臓障害の一因に。
ということで、不足だけでなく過剰摂取についても要注意です。
次にタンパク質の構成要素のアミノ酸について見ていきます。
アミノ酸
生命維持に不可欠な物質で、自然界には約500種のアミノ酸が存在します。
人間のタンパク質は
体内で合成することのできないので外部から摂取する必要のある必須アミノ酸9種と
体内で他のアミノ酸から合成可能な非必須アミノ酸11種の計20種のアミノ酸で構成されています。
必須アミノ酸と非必須アミノ酸、それぞれについて見ていきましょう。
必須アミノ酸
名称 | 機能等 |
バリン | BCAAの一つ、筋肉増強、肝機能向上、血液窒素バランス調整 |
ロイシン | BCAAの一つ、筋肉維持、肝機能向上 |
イソロイシン | BCAAの一つ、筋肉増強、肝機能向上 |
スレオニン | 肝機能向上 |
トリプトファン | セロトニンとメラニンの材料、精神安定 |
ヒスチジン | ヘモグロビン産生に関与、貧血改善 |
フェニルアラニン | ドーパミンとノンアドレナリンの材料、精神安定 |
メチオニン | タンパク質合成、肝機能向上 |
リジン | 肝機能向上、カルシウムの吸収促進 |
非必須アミノ酸
名称 | 機能等 |
アスパラギン | エネルギー代謝促進、ミネラル運搬 |
アスパラギン酸 | 速効性のあるエネルギー源、アラニンの材料 |
アラニン | 肝臓のエネルギー源、アルコール代謝改善 |
アルギニン | 成長ホルモン、インスリン、グルカゴンの分泌、免疫力向上 |
グリシン | コラーゲンの材料、赤血球の材料 |
グルタミン | 免疫力向上、肝機能向上 |
グルタミン酸 | 速効性のあるエネルギー源 |
システイン | タウリンの成分、メラニン色素生産抑制 |
セリン | 酵素の構成物質 |
チロシン | ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリンの材料、納豆が発酵が長期化した際、表面につく白い物資 |
プロリン | コラーゲンの主原料、角質層保湿 |
BCAA
筋トレ用サプリでBCAAという言葉をよく耳にします。
BCAAはBranched Chain Amino Acids(分岐鎖アミノ酸)の略称です。
必須アミノ酸の内のバリン、ロイシン、イソロイシンがBCAAです。
人間の筋たんぱく質中の必須アミノ酸のBCAAの割合は約35%にもなります。
BCAA摂取の効果は主に3つあります。
1.筋肉疲労の回復促進
運動中にはどうしても筋タンパク質の分解が促進してしまいますが、BCAAを補給することにより筋タンパク質の分解を抑制することができ疲労回復を促進してくれます。
2.筋肉増強促進
ロイシンがインスリン分泌を促し、インスリンによるタンパク質合成を促進してくれます。
3.抗ストレス
ストレス等が原因による脳が主体となって感じる中枢性疲労の抑制効果もあると言われています。
摂取するタイミングとしてはトレーニング中もしくはトレーニング直後30分位までがベストで、 それ以降ですと効果が薄れてしまいます。
メンタルダウンした時にも良さそうですね。
お薦めのプロテイン
通常でも1日に必要なタンパク質を食事だけから摂取することはかなり困難です。食事制限をするダイエット時にはどうしてもタンパク質が不足しがちになってしまいます。
せっかく減量はできても筋肉量も同時に落としてしまってダイエットに成功したとは言えません。
体力も落ちてしまい日常生活に支障が出てしまいますし、基礎代謝も減ってリバウンドしやすい体になってしまいます。
ある程度、サプリメントで補ってやる必要があるかと思います。
現在、プロテインは数多の商品が市販されていています。
正直、プロテインの効果としては各商品そんなに差がないかと思います。
大事なのは飲みやすさ。
継続するにはこの部分が重要です。
私はどうも甘いのが苦手で、バニラとココアは途中で飲まなくなってしまいました。
最後まで続いたのが次の2つ。
水に溶けやすいくスポーツドリンク代わりにもなります。
お薦めです!!!
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