肩こり解消マニュアル:対策⑤:ストレッチで肩甲骨周辺の筋肉を緩め筋トレで全身の筋肉を鍛える。

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つら~い首・肩のコリに。【ファイテン公式】

ストレッチで肩甲骨周辺の柔軟性を高める。

肩こりの場合は僧帽筋、肩甲挙筋等の肩甲骨を支持する筋肉群、胸鎖乳突筋、頸部伸展筋群、脊柱起立筋が収縮してしまっている状態ですのでそれらの筋肉のストレッチは欠かせません

それらの筋肉をほぼ同時にストレッチでき肩こり解消に欠かせないエクササイズが、ヨガでいうところのすきのポーズです。↓

すきのポーズ

この効果は絶大。

仰向けに寝て脚を挙上していき膝を伸展したまま頭部上方の床につま先をつけるポーズです。

肩こり持ちの方は上背部の筋肉が相当収縮していますからかなり辛いポーズになると思います。

私も毎日、このエクササイズは取り入れていますが、起床後や長時間のPC作業後はなかなか膝が伸びませんし足先が床についてくれません。

そこで、私は脚にアンクルウェイトを装着して行っています

とにかく最初は無理をしないことです。

最初から膝を伸ばして足先を床につけようなどとはせずに、まず膝を曲げたままの状態でいいのでアンクルウェイトの重みを感じながら背中の諸筋を伸ばしてあげます。

しばらくその姿勢で我慢していると背骨の椎体と椎体を繋いている小さな筋肉(多裂筋、棘間筋、横突間筋等)が、じわ~と伸びてくる感覚を味わえます。

そうしたら徐々に膝を伸ばしていき足先を頭方の床につけていきます。

足先が床に着いたらその姿勢を30秒~1分程度継続後、元の仰臥位に戻ります。

このストレッチでかなり首から肩が楽になるかと思います。

できれば朝昼晩一回ずつくらい行いたいエクササイズです。

職場等では立位か座位で後頭部で両手を組んで手で頸部を屈曲させる(前に倒す)ストレッチを定期的に実践しましょう。

PC作業等は集中すると2~3時間はあっという間に経過してしまいます。その間、肩周辺の筋肉は過度の緊張を強いられています。

1時間に一度位はモニターから目を離して目をつぶりこのストレッチしながら休息を取って筋肉を休ませてあげることが肝心です。

肩周辺だけでなく全身の筋肉をバランスよく鍛える。

スムーズな関節の動き、柔軟な筋肉、そして外部からのストレスに耐え得る筋力、この3点は肩こり解消には欠かせません。

敢て言うまでもありませんが筋肉もりもりの人で肩こりという人をあまり聞きません。

姿勢保持に重要な役割を果たす抗重力筋や4~5㎏もある重い頭や上肢を支持する肩周辺の筋肉が弱ければ肩がこるのは当然の帰結です。

この部分の補強なくして肩こりの根本的解消は望むべくもありません。

筋トレなど面倒くさいという方も多くいらっしゃるかも知れませんね。

でも、多少面倒でも頑張りましょう!

既述していますが、この作戦の目的はただ肩こりを治す事だけではありません。

肩こりをトリガーにしてメンタルとフィジカルも強化、QOLを向上させることが最終目標です

筋力をつけると言ってもなにもボディビルダーになるわけではないので日々のちょっとした努力で肩こり解消に必要な筋力くらいは獲得できます。

その時は体のバランスが良くなり当然不良姿勢も改善されているでしょうし、プロポーションも良くなっていると思います。

さて、どの筋肉を鍛えてあげればいいかということですが、、、一言で言えば全身の筋肉という事になってしまいます。

肩周辺の筋肉だけというわけにはいきません
姿勢を矯正する為には抗重力筋も鍛えてあげなければなりませんので少々大変です。

鍛えるべき主要な筋肉は

体の後面では

僧帽筋
菱形筋
脊柱起立筋群
大殿筋
中殿筋
ハムストリング
腓腹筋(ふくらはぎ)

体の前面では

大胸筋
腹筋群
腸腰筋
大腿四頭筋
前脛骨筋

体の側面では

三角筋

etc.です。

大胸筋、三角筋を除き体の立位姿勢保持に必要な筋肉です。
大胸筋は背面の僧帽筋と菱形筋とのバランスという意味で追加しています。

体の前後の筋肉をバランス良く鍛えていくことが重要です。

それでは、次にそれぞれの筋肉のトレーニング方法を簡単に説明していきます。

トレーニング時に揃えておきたい器具

手軽に行えるという点が肩こり解消用筋トレのポイントかと思いますので、極力、自重エクササイズを紹介したいのですが、どうしても自重では鍛えにくい部位がありますので最低限用意していただきたい器具を挙げておきます。

ダンベル

ほとんど自重でトレーニングは可能ですが、上背部のトレーニング用にダンベルが必要です。
当然バーベルでもOKです。
但し、今後の説明はダンベル使用を前提とします。

重さですが肩こり解消目的の筋トレですからダンベルであれば男性で10㎏前後、女性で5㎏前後、バーベルであれば男性で20㎏前後、女性で10㎏前後で十分です。

ダンベルは当然2個必要です。

ペットボトルに水を入れたもので代用しても結構です。

アンクルウェイト

両足に装着するアンクルウェイトがあるとベターです。

重さは男性で2㎏、女性で1㎏程度で十分です。

筋トレやストレッチ時にあると便利です。

プッシュアップバー

プッシュアップ(腕立て伏せ)時にバーがあった方が大胸筋の可動域が大きくなるのでより効果的に大胸筋に刺激を与えることができます。

トレーニング時の注意点

トレーニングの回数、休息時間、頻度等ついて

一般的には10回 × 3セットと例示されることが多いかと思いますが、これはあくまでも一つの目安です。

レベルによっても違ってきますし、持つ重量によっても、筋量を増やすのが主目的なのか、筋持久力をつけるのが主目的なのかでも違ってきます。

本格的な筋トレですといろいろな考えた方があります。

ここでは肩こり解消の為の筋トレということであまり細かい事にはこだわらず、当初は出来る回数を1セット、慣れてきたり時間に余裕がある場合は2~3セット程度行う位のイメージでいいかと思います。

複数セット行う場合の休息時間は自重か軽いダンベル使用ですので30秒~1分程度が目安です。

頻度は毎日と言いたいところですが、休養も大切ですし、どうしてもやる気の起こらない日はありますから週5日程度を目安にしましょう。

大事なことは無理のない程度で始めて楽しみながら日々のルーティンに取り入れて継続することです。

肩こりの方が急に筋トレを行うと肩こりを悪化させてしまうことがありますので、最初は少しずつ無理なく始めていきましょう!

トレーニング時の動作に関する注意点

全てのメニューに言えることですが、一つ一つの動作をいい加減に行わない事が肝心です。

回数を稼ぐ為に可動範囲を狭くして行っても効果はありません

鍛えたい筋肉に意識を集中、まずその筋肉をゆっくりじわ~と最大限伸長させて収縮させる時は勢いよく行う事が原則です。

トレーニング時の呼吸法について

原則としてメインターゲット筋を収縮させる時は息を吐きながら、伸長させる時は息を吸いながら行います。

極力息を止めずに行いましょう。

トレーニングメニュー

下記のメニューで上記の筋肉のほとんどを鍛える事が可能です。

全てのメニューを一度に行うとなるとかなりの時間を要してしまいます。

忙しくて時間の取れない方2~3日に分散してこなしても問題はありません。

重要な事は継続する事です。

ショルダーシュラッグ

ターゲット筋は僧帽筋です。

肩をすくめる運動です。

1.肩幅程度の足幅で立ち体の側面に手の甲が外を向くようにダンベルを持った状態がファーストポジションです。

2.この状態から息を吐きながら両肩をすくめるように上げ一瞬停止後、息を吸いながら下ろしてファーストポジションに戻します。
この動作を繰り返します。

すくめる際、単に肩を上に持ち上げるだけでなく上げる時は肩を前に突き出し下げる時は肩甲骨を引き寄せるようにするとより効果的です。

肩こりの方は僧帽筋が弱い方が多いと思いますので、この動作を無理して行うとかえって肩こりが悪化してしまいますから最初は本当に少ない回数で行って下さい。徐々に徐々に回数を増やしていきましょう。

次のアップライトロウも動揺です。

アップライトロウ

ターゲット筋は僧帽筋、三角筋、上腕二頭筋、前腕諸筋です。

1.肩幅程度の足幅で立ち体の前面に手の甲が前を向くようにダンベルを持った状態がファーストポジションです。

2.この状態から息を吐きながら肘を曲げてダンベルを胸の位置くらいまでゆっくり引き上げ一瞬停止後、息を吸いながらゆっくり下ろしてファーストポジションに戻します。この動作を繰り返します。

サイドレイズ

ターゲット筋は三角筋です。

1.肩幅程度の足幅で立ち体の側面に手の甲が外を向くようにダンベルを持った状態がファーストポジションです。

2.この状態から息を吐きながらダンバルを上肢が床と並行になるくらいまで挙上して一瞬停止後、息を吸いながらゆっくり下ろしてファーストポジションに戻します。この動作を繰り返します。

ベントオーバーロウ

ターゲット筋は僧帽筋、菱形筋、三角筋、上腕二頭筋、広背筋です。

1.肩幅より多少広めの足幅で立ち、膝は軽く曲げ、背中を丸めないように腰を屈曲させて45度から60度位上体を前傾した姿勢をとり手の甲が前を向くようにダンベルを持った状態がファーストポジションです。
その時の手幅は肩幅より広くなります。

2.この状態から息を吐きながらダンベルを肘が90度より少し鋭角になるくらいまでゆっくり引き上げ一瞬停止後、息を吸いながらゆっくり下ろしてファーストポジションに戻します。この動作を繰り返します。

ダンベルを上げる際は肩甲骨の内転(両肩甲骨を近づける動き)で挙上する事を意識して下さい。

バックエクステンション

ターゲット筋は脊柱起立筋です。

1.床にうつ伏せになり、足幅は肩幅程度に広げ、肘を曲げて手を耳の当たりに置いた姿勢がファーストポジションです。

2.この状態から息を吐きながら上体をできるだけ反らせると同時に両足も挙げ一瞬停止後、息を吸いながらゆっくり下ろしてファーストポジションに戻します。この動作を繰り返します。

プッシュアップ(腕立て伏せ)

ターゲット筋は大胸筋、上腕三頭筋です。

1.手の幅は肩幅より広め(肘を曲げていって上腕が床と並行になった時に肘の角度がちょうど90度くらいになるくらいの幅)、頭から足まで一直線になるようになっている状態がファーストポジションです。

2.この状態から息を吸いながら体を沈めて胸が床に着く直前に一瞬停止後、息を吐きながら勢いよく体を押し上げファーストポジションに戻します。この動作を繰り返します。

ここでは大胸筋がメインターゲットですので、手で上げるイメージではなく、体を下ろしていく時は大胸筋をじわ~と伸ばし押し上げる時は大胸筋を一気に収縮していく意識を持って行うことが重要です。

プッシュアップバーを使用すると大胸筋の可動域が大きくなるのでより大きな刺激を大胸筋に与えることができますのでできればプッシュバーの使用をお薦めします。

プッシュアップが1~2回しかできないようでしたら慣れるまでは膝をついた状態で行って下さい。

クランチ

ターゲット筋は腹直筋です。

1.仰向けに寝て、手は頭の後ろで組み、脚は膝90度、腰90度の状態がファーストポジションです。

2.この状態から息を吐きながらお臍をのぞき込むように頭を上げ一瞬停止後、息を吸いながら頭をファーストポジションに戻します。この動作を繰り返します。

バリエーションとして、私が行っているのはアンクルウェイトを装着した上で、

1.仰向けに寝て、手は頭の後ろで組み、脚は伸展したまま床から少し上げた状態がファーストポジションです。

2.この状態から息を吐きながらお臍をのぞき込むように頭を上げると同時に両膝を胸に向かって引き寄せ一瞬停止後、息を吸いながら頭と脚をファーストポジションに戻します。この動作を繰り返します。

通常のクランチに慣れてきたら行ってみて下さい。

ニートゥーエルボー

ターゲット筋は腸腰筋、腹直筋、腹斜筋です。

1.肩幅程度の足幅で立ち頭の後ろで手を組んだ状態がファーストポジションです。

2.この状態から息を吐きながら左膝を上げ、右肘が上げた左膝につくように上体を十分にひねり、一瞬停止後、息を吸いながらファーストポジションに戻します。
次に息を吐きながら右膝を上げ、左肘が上げた右膝につくように上体を十分にひねり、一瞬停止後、息を吸いながらファーストポジションに戻します。

この動作を繰り返します。

アンクルウェイトを装着して行うとより腸腰筋に刺激を与える事ができます。

腸腰筋よりも腹直筋、腹斜筋の方をメインに鍛えたい場合は、仰向けでこの動作を行って下さい。

ヒップスラスト

本来のヒップスラストはベンチとバーベルを使用しますが、ここでは手軽にできるということで床の上で自重で行います。
地味な動作ですが大殿筋にフォーカスして鍛える事ができるので非常にいいメニューだと思います。ヒップアップにもバッチリです

ターゲット筋は大殿筋です。

1.床に膝を立てて仰向けに寝てちょっとだけ腰を浮かした状態がファーストポジションです。

2.この状態から息を吐きながら肩、腰、膝が一直線になるまで勢いよく腰を挙げお尻を締め一瞬停止後、息を吸いながらゆっくり下ろしてファーストポジションに戻します。この動作を繰り返します。

片足を伸ばした状態で行うとより効果的ですし、さらに負荷をかけたい場合はアンクルウェイトを装着して行います。

バッグブリッジ

ターゲット筋は大殿です。

ヒップスラストが動的に鍛えるメニューだとすればこちらは静的に鍛えるメニューです。

1.床に膝を立てて仰向けに寝た状態がファーストポジションです。

2.この状態から息を吐きながら肩、腰、膝が一直線になるまで腰を挙げお尻を締め、腹部はドローイング状態のまま静かに呼吸をしながらこの状態を10秒~30秒程度キープ後、息を吸いながらゆっくり下ろしてファーストポジションに戻します。この動作を繰り返します。

片足を伸ばした状態で行うとより効果的ですし、さらに負荷をかけたい場合はアンクルウェイトを装着して行います。

スクワット

ターゲット筋は大殿筋、ハムストリング、大腿四頭筋です。

1.肩幅よりやや広めの足幅で立ち両手は胸の前で組んだ状態がファーストポジションです。

2.この状態から息を吸いながら大殿筋をじわ~と伸ばすイメージで腰を落としていき十分沈み込んだところで一瞬停止後、息を吐きながら一気に膝と腰を伸ばしてファーストポジションに戻します。この動作を繰り返します。

腰を落とす際には、
・膝をあまり前に出さないようにする事
・上体は前傾させず極力床に対して垂直な状態を保ったまま行う事
この2点に注意してエクササイズして下さい。

慣れてきた場合は、片足で行うかダンベルやバーベルで負荷をかけて行って下さい。

デッドリフト

ターゲット筋は脊柱起立筋、大殿筋、ハムストリングです。

1.ダンベルを前にして肩幅程度の足幅で立ち、背中を伸ばしたまま腰と膝を曲げてダンバルをオーバーグリップで握り手幅を肩幅程度にした状態がファーストポジションです。

2.この状態から息を吐きながら腰と膝を伸展させて立ち上がり胸を張り一瞬停止後、息を吸いながら腰と膝を曲げてファーストポジションに戻します。この動作を繰り返します。

カーフレイズ

ターゲット筋は腓腹筋、ヒラメ筋です。

1.肩幅程度の足幅で立ち体の側面に手の甲が外を向くようにダンベルを持った状態がファーストポジションです。

2.この状態から息を吐きながら踵を上げ一瞬停止後、息を吸いながらファーストポジションに戻します。この動作を繰り返します。

足幅やつま先の方向を変えて行うことによりふくらはぎのいろいろな箇所に刺激を与える事ができます。

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