ちょっと油断してしまうとすぐ増殖してしまう体脂肪、憎らしいくらい厄介なる存在ですね。
落とす時は一苦労、ところがあっという間に元通り。
過去何度無駄な労力を費やしてしまったことか。
さて、その体脂肪、脂肪の蓄積部位により皮下脂肪と内臓脂肪に分類されます。
共にエネルギーの貯蔵庫としての役割を持っていますが、それぞれの特徴も有しています。
順に見ていきましょう。
まず
皮下脂肪
体の皮下、多く存在する部位は腰回り、お尻周辺、そして太もも。
主な役割は
・長期的なエネルギーの貯蔵(内臓脂肪に比べて代謝が遅い為)
・体温の維持
・外力に対するクッション
です。
皮下脂肪主体の肥満は女性に多く見られ洋ナシ型体形が特徴です。
代謝が遅いので脂肪の分解が遅くなかなか減らしにくい脂肪です。
確かに、腰周辺、臀部、なかなか落ちてくれないので難儀しますね。
次に
内臓脂肪
内臓周辺の腸間膜に存在する脂肪です。
主な役割は
・エネルギーの一時的な貯蔵(皮下脂肪に比べて代謝が早い為)
・内臓を正しい位置に保持
・外力に対するクッション
です。
内臓脂肪主体の肥満は男性に多く見られお腹ぽっこり型体形が特徴です。
女性の場合は閉経後に内臓脂肪が増加する傾向がありますので要注意です。
代謝が早いので脂肪の分解が早く減らしやすい脂肪です。
内臓脂肪とメタボリックシンドローム
ダイエットという観点からすると落とし易い内臓脂肪ですが、やっかいなところは内臓脂肪の蓄積が糖尿病、高血圧症、高脂血症(脂質異常症)等の生活習慣病の発症に大きくかかわっていることです。
よく耳にするメタボリックシンドローム(メタボリック症候群、メタボ)は
内臓肥満に高血糖、高血圧、脂質異常症のうち2つ以上が合併した状態を指します。
それぞれの具体的な診断基準は次の通りです。
内臓肥満判定
ウエスト周囲径(注)が
・男性の場合 85cm以上
・女性の場合 90cm以上
(注)
ウエスト周囲径とはへその高さで計る腰回りの大きさです。
空腹時に足を肩幅に開き上半身の力を抜き軽く息を吐いてリラックス状態で測定します。
日本においては、本来であればCTで内臓脂肪面積を測定し、100㎠以上の場合を肥満とします。
但し、CTでの測定は簡単にはできませんので、内臓脂肪面積100㎠に該当するウェスト周囲径をサンプリング調査で割り出した結果を採用しています。
珍しく男性の基準値より女性の基準値が大きいので違和感がありますが、理由は同じ内臓脂肪量でも女性の方が皮下脂肪が多い分ウェスト周囲径が大きくなることを考慮した結果です。
高血糖判定
・空腹時血糖値が 110mg/dL以上
高血圧判定
・収縮時血圧(最大血圧) 130mmHg以上
・拡張時血圧(最小血圧) 85mmHg以上
どちらか一つでも該当すれば高血圧
脂質異常症判定
・中性脂肪値 150mg/dL以上
・HDLコレステロール(善玉コレステロール)値 40mg/dL以下
どちらか一つでも該当すれば脂質異常症
メタボリックシンドロームを放置してしまうと、動脈硬化を引き起こし、結果的には重篤な心疾患、脳血管疾患等を発症してしまうリスクが高くなってしまします。
早期に有酸素運動を中心とした健康ダイエットでメタボを解消しておきましょう。