ダイエットを成功させたいのであれば、肥満になるメカニズムの概要把握が不可欠です。
順にみていきましょう。
●食物を摂取すると、その中の糖質は胃腸で分解されてブドウ糖として血液中に放出され、結果、血糖値が上昇します。
高濃度のブドウ糖は生体内のタンパク質と反応して生体に有害な作用をもたらしてしまいます。
具体的には、
高血糖状態が続くと糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症等の微小血管障害の発症リスクを高めてしまいますし、さらには太い血管もダメージを受け動脈硬化等を引き起こしやすい危険な状態となってしまいます。
●さて、そうなっては一大事。
ということで早急にブドウ糖を細胞内に吸収して血糖値を下げなければならないわけですが、ここで問題が発生します。
通常、細胞には細胞内に異物が入らないよう厳重なガードがかかっています。
ブドウ糖も例外でなく単体では細胞に入らせてもらえません。
そこでガードを外す鍵を持つインスリンの出番となります。
血糖値の上昇を察知するとインスリンが膵臓から分泌されブドウ糖が細胞内に入り込む手助けをしてくれるわけです。
●無事に体内に吸収されたブドウ糖は一部は肝臓でグリコーゲンに変えられ肝臓に貯蔵されますが、ほとんどのブドウ糖は各器官・組織の活動エネルギーとして使用されることになります。
●さてここで全てのブドウ糖がエネルギーとして使用されれば問題はありません。
しかし、血液中にブドウ糖が残ってしまった場合
インスリンは余ったブドウ糖を脂肪に変えて脂肪細胞に貯蔵します。
食べ過ぎで、摂取カロリ > 消費カロリーの状態が続くとブドウ糖の余剰状態も継続しインスリンはせっせとブドウ糖を脂肪に変えて脂肪細胞に蓄えていってしまうわけです。
結果、
脂肪細胞はますます巨大化(15倍程膨らむとも言われています。)し肥満は加速していきます。
以上が肥満に至る大きな流れです。
ところで、
インスリンは糖質の摂取時のみ働きタンパク質や脂質摂取時には分泌されません。
糖質を制限してやればその他は通常通りの食事でかまわないという糖質制限ダイエットや低インスリンダイエットの根拠です。
根拠があるとはいえ糖質制限ダイエットについても安全性が確認できていないということもあり賛否両論あります。
過度の制限は弊害を発生させる可能性がありますので厳禁、ほどほどにしておきましょう。