ご存知のように肩甲骨は肋骨の後面上に天使の羽のように存在し、肩関節の動きをサポートする重要な役目を担っています。
肩甲骨にある関節は鎖骨との間の肩鎖関節だけで、あとは自由に肋骨面を滑走できるように僧帽筋、肩甲挙筋、菱形筋、小胸筋、前鋸筋等の筋肉で支持されているだけです。
肩甲骨を支持しているこれらの筋肉の疲労の蓄積が肩こりの原因の一つですから、肩甲骨がスムーズに可動するようにメンテナンスしておくことは肩こり解消の大きなポイントになります。
肩甲骨の運動学
・挙上:肩甲骨全体が上部に移動する動き、肩を挙げた時、すくめた時の動き
・上方回旋:肩甲骨の外側部が上方に移動する動き(上肢を体の側面につけた状態から側方(外側)に挙上していき180度外転した場合、肩関節の動きによる外転は120度だけで残り60度の外転はこの肩甲骨の上方回旋によるものです。)
・外転:肩関節の水平屈曲時に体の中心から離れる動き
・内転:肩関節の水平伸展時に体の中心に近づく動き
・上方傾斜:肩関節伸展(腕を体の後方で挙上)時に前方に傾斜する動き
等があります。
肩甲骨の動きをよくするエクササイズ
外転と内転のエクササイズ
立位で肘を90度曲げ肘を出来るだけ後ろに引いて胸を張った状態が基本姿勢(肩甲骨の内転状態)です。
次に両手を前方に伸ばしていき手のひらを合わせてから合わせた手を前方に突き出していきます(肩甲骨の外転状態)。
この動作を何度か繰り返します。
挙上のエクササイズ
立位の基本姿勢で両肩を挙上して肩をすぼた後、スッと力を抜いて基本姿勢に戻す動作を何度か繰り返します。
上方傾斜のエクササイズ
立位で体の後方で両手を組み、両手を上方に挙上後、元の位置に戻す動作を何度か繰り返します。