さて、次のアプローチは股関節に対して行います。
股関節にアプローチする理由は?
肩こりと股関節、一見関連が無さそうですがそんなことはありません。
上半身の歪みは土台となる骨盤の歪みからもたらされます。
そして骨盤に歪みを生じさせる原因の一つが股関節の動きです。
股関節の動きが良ければ問題はないのですが、股関節が固くなり動きがスムーズでなくなってくると体は股関節の動きが悪い分を他の部位でカバーしようとします。
例えば股関節を有する腸骨と仙骨間に存在する仙腸関節で。
この関節、半関節と言って本来はあまり動きのない関節です。
しかし股関節の動きが悪い状態が続くとそれをカバーしようとして不安定になってしまいます。
その結果、骨盤は徐々に歪み、それに伴って背骨のアライメントも崩れてしまうことで姿勢がアンバランスになり肩こりを誘発してしまうわけです。
以上が股関節の動きに着目する理由です。
ということで股関節の動きををスムーズにするエクササイズを実践していくわけですが、その前にまず股関節の動きについて押さえておきましょう。
股関節の運動学
股関節の主要な動きとしては
・屈曲:下肢を前方に挙上していく動き
・伸展:下肢を後方に挙上していく動き
・外転:下肢を外側に挙上していく動き
・内転:下肢を内側に挙上していく動き
・内旋:膝関節伸展位ではつま先を内側に回す動き、膝関節屈曲位では膝関節を内側に回す動き
・外旋:膝関節伸展位ではつま先を外側に回す動き、膝関節屈曲位では膝関節を外側に回す動き
・分回し:ぐるぐる回す動き
があります。
一通りこれらの動作をしてみて動きがスムーズか否か可動域が狭くなっていないかをチェックして動きが悪ければその動作を繰り返して補正します。
例えば次のようエクササイズを行えばほぼすべての動きをカバーできます。
股関節の動きをスムーズにするエクササイズ
屈曲と伸展のエクササイズ
足を前後に大きく開いた立位になり、例えば右足前、左足後とすれば、体重を前方の右足に移動、右の膝が90度程度になった上体で両手を膝の上に置き、ゆっくり腰を落としていきます。次に左前、右後でも同様に行います。で屈曲と伸展の可動域を広げる事ができます。
外転のエクササイズ
足を左右に大きく開いた立位で両手を前につき、ゆっくり腰を落としていきます。無理せず少しずつ足を広げていきます。
このエクササイズで外転の可動域を動きをチェックできます。
外旋のエクササイズ
足を左右に大きく開いた立位から膝が90度になるくらいまでゆっくり腰を落としていき、両肘で両膝を後方に押してやります。
慣れてきた場合は片方の脚を伸展してさらに腰を落とした状態で屈曲側の膝を肘で後ろに押してあげるというバリエーションもあります。
内旋のエクササイズ
仰向けに寝て膝を立て両膝の間隔を肩幅程度に開いた状態から右膝の内側を床につけるように回旋します。その際、左足を右足の大腿部に置きその重みで回旋の動きを
補助します。左足も同様に行います。
内転に関して股関節の構造上可動域を広げるには無理があるかと思いここではスルーしました。
後は、肩幅に足を広げて立ち、股関節の動きを意識しながら骨盤をグルグルと回旋するエクササイズもいいですね。
骨盤矯正にもなりますし。骨盤ベルトがある場合は装着して行へばよりベターです。