カビについての基礎知識と効果的なカビ対策(徹底撃退法)

鬱陶しい日々が続くこの時期、これでもかこれでもかと増殖してくるカビには閉口します。

我が家では、特に風呂場とリビングの窓周辺のカビが悩みの種。
以前の我が家のカビ対策はと言えば、風呂場は黒カビがかなり目立ってきた時点でカビキラーで力ずくで対処するのみ。
窓に至っては年末に掃除するのみというお粗末なものでした。

その結果は当然の帰結、、、

風呂場のタイルの目地やドアのゴムパッキン等はカビキラーで漂白しても色が残るようになってしまいましたし、リビングの窓枠についても一部のゴムパッキンは黒ずんでしまい、かつ結露対策を怠っていたせいで窓枠の下部は表面の合板が一部剥がれてしまうような状況に落ち入りました。

我が家は築20年ですから、ある程度の経年劣化は仕方ないにしても、このままではさすがにまずいなということで重い腰を上げ1年前からカビ対策に本腰を入れました。

以下は、一連のカビ対策の備忘録です。

にっくきカビと戦う前にある程度敵の正体を掴んでおいた方がいいだろうとまずカビについての基礎知識を学習しておきました。

取り敢えず敵の弱点を知る目的でざっくりと、、、

学んだ内容はこんな感じです。

カビ対策:まず敵を知る。カビとは?

ウィキペデア、文科省のカビ対策マニュアル基礎編等によれば

・カビとは菌類の一部の姿を指す言葉。
・カビの種類は約80,000種以上。

80,000種以上、思ったより多いのでびっくり。

・カビは胞子が発芽して菌糸を伸ばして生育する。

この菌糸がくせもの、ゴムパッキン等に入り込んでしまうとやっかい。

・浴場等で多いカビはクロカビ、ススカビ、アカカビetc。これらのカビの和名はほとんどが見た目からつけられた俗称。
・多くのカビはマイコトキシンという称するカビ毒を産生。

カビ毒は腹痛、下痢、嘔吐、内臓障害等を引き起こす危険性があり、カビ本体と違ってカビ毒は熱に強いことが特徴。恐るべしマイコトキシン!

・胞子は1週間から10日位で大きく成長。

このくらいの間隔で定期な掃除を心掛ければ酷い状態にならなくて済むわけか、、ふむふむ。

カビ対策:カビが生育する為の条件は?

1.適度な温度:生育可能温度領域は0度~40度、生育最適温度は25度~28度(一般的には20度~30度がカビが好む温度と言われている。)
2.十分な湿度:相対湿度60%位から発生し、相対湿度80%以上になると目に見えて増殖。
3.栄養分の存在:有機物(皮脂、垢等)の豊富な場所を好む。
4.酸素の存在

以上、4条件が満たされていること。

カビ対策:カビ除去のヒントは?

上記の4つの生育条件のうち一つでも欠ければうまく生育できないということになるので、

日常的に留意すべきは

・湿度が高い時は除湿する
・常に清潔に保つ

の2点。「当たり前田のクラッカー」というところですね。(古っ!)

温度と酸素に関しては人間の適正環境と被っているのでノータッチ。

殺菌法としては

カビも菌の一種なので次亜塩素酸、エタノール、乳酸、高温のお湯等で細胞膜を破壊する方法が一般的。

カビ対策:主な殺菌方法の長所と短所

主な殺菌法について具体的に見ていくと、、、

塩素系カビ取り剤による殺菌

次亜塩素酸の殺菌作用でカビを退治。

この殺菌方法の

長所は

・殺菌作用が強で短時間で殺菌可能なこと
・同時に漂白もできること
etc.

短所は

・体に有害なこと
・刺激臭が強いこと
・上記の理由で使用場所が制限されること
・防カビ効果はないこと
etc.

この方法の評価としては

殺菌効果は絶大、カビの状態が酷い場合は取り敢えずは使用したほうが効率的
但し、短所を考慮すると使用頻度は極力少なくしたい方法。

エタノールによる殺菌

無水エタノールより濃度80%程度のエタノールの方が殺菌能力は高い

市販されている消毒用エタノールが濃度80%程度。

この殺菌方法の

長所は

・殺菌作用が強力なこと
・揮発性なのでふき取る必要がないこと
etc.

短所は

・引火性が強いので台所やコンセントの周辺等では使えないこと
・肌荒れ等を起こす可能性があること
・漂白はできないこと
etc.

評価は

火の気のない風呂場等では有効な武器

高温のお湯による殺菌

50度のお湯を90秒程度かけてやると表層1㎜位までのカビはほぼ死滅。
(NHKの「ためしてガッテン」で放映された内容)

この殺菌方法の

長所は

・体には無害なこと
・後処理がいらないこと
etc.

短所は

・作業にかなり時間を要すること
・火傷の可能性があること
・漂白はできないこと
etc.

評価としては、

お湯で殺菌できる手軽さは評価、但し作業にかなり時間を要す。
日常的なメンテナンスとして局所的には使えるかもしれない

お薦め!乳酸主成分のカビ取り剤による殺菌

乳酸の持つ殺菌作用でカビを退治

この殺菌方法の

長所は

・体には無害で環境にもやさしいこと
・安全で色落ちもしないので使う場所を選ばないこと
・防カビ効果を有すること
etc.

短所は

・塩素系カビ取り剤やエタノールに比べると費用がかかること
・塩素系のカビ取り剤に比べる殺菌力は若干劣ること
・漂白はできないこと
etc.

評価は

コストの問題はあるものの安全性と防カビ効果を考慮すると日頃のメンテナンスには最適な方法

以上の基礎知識を踏まえた上で私が実践したカビ対策がこちら↓。

カビ対策実践編

準備したもの

・ゴーグル、手袋、マスク:保護用

・雑巾数枚:拭き掃除用

・中性洗剤:拭き掃除用

・水の入ったスプレー:塩素系カビ取り剤洗浄用

・バケツに水:拭き掃除用、塩素系カビ取り剤洗浄用

・ティッシュ:塩素系カビ取り剤定着用

・使い古した歯ブラシ数本:窓レール、浴場水栓の凹部掃除用

・掃除機:窓のレール部分の埃除去用

・ワイパー:高所掃除用

・塩素系カビ取り剤:カビ殺菌・漂白用

カビキラー:主に浴場の壁と床に使用

カビトルデス PRO:目地、ゴムパッキン等に使用

・乳酸系カビ取り剤:カビ殺菌・防カビ用

かなり前にも乳酸系カビ取り剤の安全性を評価して乳酸系カビ取り剤(商品名は失念)を購入したことがあったのですが、その当時の商品はヨーグルトのような臭いがかなりきつかったのでほとんど使用せず廃棄してしまいました。

後日、無臭の商品が出たということでテレビ通販で購入したのがこのピュアソン カビSTOP HYPER
無臭で防カビ効果も高いので愛用しています。

本製品を使用前は、浴室の天井部分にもカビが発生していたのですが、これを塗布してからはほとんど発生せず。

さすがに絶えずお湯がかかってしまう浴室壁面の下部には使えませんが、壁面上部と天井部分についてはしっかりとカビから守ってくれています。

 


乳酸系カビ取り剤としては今はこちらのカビナイトの方がメジャーかもしれません。
成分はカビSTOPとほぼ同様です。

・目地・ゴムパッキン補修剤

カンペハピオの水性かべ紙クロス用塗料 :しつこい色素沈着時の色消しに使用

この商品、もともとは部屋のクロスを張替える代わりに購入してあった家庭用塗料なのですが、水に強く、無臭、防カビ効果を有し、おまけにホルムアルデヒドを吸着無害化するという優れもの、目地・ゴムパッキンの補修剤としても使っています。

・マスキングテープ:目地・ゴムパッキン補修剤用

・筆:目地・ゴムパッキン補修剤用

・ニトムズ 窓ガラス 断熱シート:窓ガラスの結露対策用

いわゆるプチプチです。と言っても通常のプチプチは平坦なのは一面だけの2層構造ですが、このプチプチは表と裏の両面が平坦な3層構造。

もともとは断熱用商品ですが結露防止作用もあり水だけで簡単に貼れるということで購入。

鉄線入り等特殊なガラスには貼付できない場合がありますので要注意です。

風呂場編

1.まずはゴーグル、マスク、ゴム手袋を装着

2.皮脂や石鹸カスの除去

胞子等が極力飛ばないように注意しながら、天井、壁、床の順に浴室用中性洗剤と雑巾で皮脂や石鹸カスを除去。

天井と壁の上部は雑巾をワイパーにセットして清掃。

シャワーをかけてきれいに洗浄。

表面が濡れた状態ではカビ取り剤の効果を減じてしまうので一旦作業は中断、乾燥待ち。

直ぐに作業したい場合は乾いた雑巾で拭いてもいいのですが、かなりの労力ですから無理せずボチボチと。

3.天井部分の殺菌

天井部分の殺菌には安全性と防カビ効果を考慮して乳酸系カビ取り剤かびカビSTOPを使用。

殺菌の為にシート付きワイパーでかびSTOPを天井に塗布、しばらく放置後シャワーで洗浄。

天井に関してはこの時点で視認できる汚れはなくなりました。

作業中断して乾燥待ち。

4.天井部分の防カビ対策

乳酸系カビ取り剤は人体に無害ですからそのままにしておいても問題無ということで、

防カビ効果を期待して再度シート付きワイパーでカビSTOPを天井に塗布。

これによってその後の天井部分のカビ発生がかなり抑制されました。

5.壁と床の殺菌・漂白

極力使用したくなかった塩素系カビ取り剤ですが効率と漂白作用を重視して壁と床は塩素系カビ取り剤の出番。

換気扇を回し窓を開けた上で、

浴室用洗剤では歯が立たなかった部分を中心にカビキラーをスプレー。

特に汚れのひどい部分はサランラップをあてて塩素系カビ取り剤の流出を防止。

しばらく放置後、シャワーできれいに洗浄。

目地やゴムパッキン等でまだ色素が残っている場所にはジェル状塩素系カビ取り剤カビトルデスの出番。

ジェル状なので滞留効果が高く深く入り込んだ菌糸にも有効。

色素の残っている場所に塗布、しばらく放置後シャワーできれいに洗浄。

作業中断して乾燥待ち。

6.壁と床の防カビ対策

この段階でほとんどのよごれは消失、かすかに色素が残っている部分は目地・ゴムパッキン補修剤として水性かべ紙クロス用塗料を使用。

この商品、前述していますが無臭で防カビ効果も有しているのでお薦めです。

面積の広い部分はマスキングテープを貼った上で水性かべ紙クロス用塗料を筆で塗布。

乾燥後、壁全体に乳酸系カビ取り剤カビSTOPをスプレーして防カビ処理、一連の作業は終了しました。

7.その後の状況

乳酸系カビ取り剤の防カビ効果のおかげで塩素系のカビ取り剤の使用頻度が激減

どうしても防カビ効果がある乳酸系カビ取り剤が流されてしまう水栓周辺や床にたま~に使用する以外はほとんど使わなくなりました。

カビの特徴のところでも触れていますが、胞子が大きく成長する期間は1週間から10日位ですから、きれいな状態を保つには通常は月に3~4回の掃除が必要なところ防カビ効果で月1回程度の浴室用洗剤と乳酸系カビ取り剤を使用した簡単な清掃で済んでいます。

日常的にも浴場使用後にカビに栄養を与えないように周辺に飛び散った石鹸カス等をシャワーで洗い流す事と、換気扇を回して湿気を排出する事に留意、現在は快適な環境を保てています。

続いて窓編です。

窓編

1.埃等を除去

レール部分に溜まった砂埃等を掃除機で除去。隅の部分の埃は歯ブラシで掻き出しながら。

バケツの水に中性洗剤を適量入れ、その溶液を浸した雑巾でガラス、窓枠、レール部分を掃除。

隅の部分を水をスプレーしながら歯ブラシで掃除。

乾いた雑巾で雑巾でガラス、窓枠、レール部分の水分をふき取った上で乾燥させるためにしばし放置。

2.ゴムパッキンのカビ退治

ガラスの下部のゴムパッキンがカビでかなり黒ずんでしまっていたのでジェル状塩素系カビ取り剤カビトルデスを塗布。

換気しながら30分放置後、スプレーで水をかけながらカビ取り剤を徹底的に除去、雑巾できれいに拭き取りしばし乾燥。

3.ゴムパッキンの色消し補修

浴場の場合と同様に色素が残っている部分は目地・ゴムパッキン補修剤として水性かべ紙クロス用塗料を使用。

面積の広い部分はマスキングテープを貼った上で塗布し、乾燥するまでしばし放置。

4.防カビ対策

①サッシ部分、レール部分に乳酸系カビ取り剤カビSTOPを定期的にスプレー

②結露対策

窓の部分のカビ発生の主な原因の一つは結露です。

結露対策の主役は「ニトムズ 窓ガラス 断熱シート」。

ガラスの大きさに合わせて裁断、実際に貼ってみると確かに簡単、ノンストレスで貼れて一連の作業が終了。

外見上はおしゃれとは言えませんが一応ハニカム構造的な幾何学模様ですし、目隠し効果もあるので私はなかなか気に入っています。

③湿度管理

カビの基礎知識で触れましたが、カビは湿度60度以上の環境を好みます。

室内には湿度計を設置、湿度が70度を超えるような時はエアコンで除湿。

④カビ胞子飛散対策

エアコンは定期的に清浄、冷房後は一時間程度送風にしてエアコン内を乾燥させ、カビの発生及びカビ胞子の飛散を防止。

浮遊している空気中のカビ胞子対策には空気清浄機の設置は必須です。

7.その後の状況

結露がかなり減少しましたし乳酸系カビ取り剤を定期的にスプレーしているので、以前と比べるとカビの発生はかなり抑制されています。

ゴムパッキンがやられる前にもっと早い段階でカビ対策に取り組んでおけばよかったと反省しきりです。

最後に

カビが存在しているということは、カビの胞子が空気中を浮遊しているということです。

我々は知らず知らずのうちにカビの胞子を体内に取り入れてしまっているわけですね。

免疫機能が正常に働いているうちはいいのですが、体が弱っているような状態の時に胞子を大量に吸い込んでしまえば、我々の優秀なる免疫部隊もお手上げ、重篤な病気を惹起してしまう可能性があります。

カビをゼロにすることは無理ですが、定期的なメンテナンスを心掛け、極力、ゼロに近い状態をキープして快適な生活を送りたいものです。

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