免疫力とは?

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免疫力とは?

病と闘う上での大きな味方が「免疫力」、読んで字のごとく「疫(病)から免れる力」です。

我々の周囲には、全てを視認できたとしたら卒倒してしまいそうな夥しい数のウィルス、細菌、カビ等が存在しています。

そのような過酷な環境下においても我々が健康を保っていられるのはまさに「免疫力」のおかげそのものです。

今や人類の最大の敵の一つである癌細胞、1日に3000~4000個程度出現していると言われています。

そのまま放っておけば我々はすぐに癌に侵されてしまうわけですが、体内の免疫システムが正常に機能して免疫細胞がアメリカンフットボールのデフェンスように癌細胞を撃退してくれているので我々は健康を維持できているわけです。

この免疫システム、本当に良くできた有難いシステムですが、具体的にはどうような仕組みで外敵と戦ってくれているのでしょうか?

まず、そのへんのところから学んでいきます。

免疫システムの仕組み

免疫システムの主役は皆さんもご存知の白血球です。

白血球とは?

白血球の定義はいくつかありますが、一般的には免疫を担当する細胞(顆粒球、単球、リンパ球)の総称です。

このうち顆粒球は好中球、好酸球、好塩基球に細分化されますので、白血球の種類は

・好中球
・好酸球
・好塩基球
・単球
・リンパ球

の5種類とされています。

簡単にそれぞれの白血球の役割をまとめておきます。

1.顆粒球:細胞質に存在する顆粒状の白血球の総称。

(1)好中球(注1):遊走運動をしながら細菌等を貪食する。
(2)好酸球(注1):ヒスタミンを不活性化しアレルギー反応を制御する。
(3)好塩基球(注1):アレルギー反応に関与。

2.単球白血球中最大細菌等を貪食。血管外ではマクロファージ等に分化。マクロファージは細胞等を貪食し細胞表面にその一部を提示する抗原提示機能を有する。提示された抗原をT細胞が認識して免疫細胞に指令を出す。

3.リンパ球リンパ中に存在する白血球の総称。

(1)B細胞(注2):抗体(免疫グロブリン)を産生し細菌等を無力化する。免疫記憶(注3)を有する。
(2)T細胞(注4):
ヘルパーT細胞:キラーT細胞を活性化する。B細胞の抗体産生を補助する。
キラーT細胞:腫瘍細胞やウィルス感染細胞を破壊する。
レギュラトリーT細胞:制御性T細胞とも呼ばれ、免疫の働きを抑制する。
(3)NK細胞:(注5):腫瘍細胞やウィルス感染細胞を破壊する。

(注1)「好~」というネーミングの由来ですが、顆粒がどのような色素で染色されるかで決定されます。
好中球は中性色素
好酸球はエオシンという色素
好塩基球は塩基性色素
によりそれぞれ染まります。

(注2)B細胞のBの由来ですが、当初、この細胞は鳥類ではファブリキウス嚢(Bursa Fabricii)という部位で分化成熟されるのがわかり、その頭文字を取ってB、その後哺乳類では骨髄(bone marrow)で分化成熟される事が判明、やはり頭文字がBなのでそのままB細胞と命名されたとの事です。

(注3)抗体を産生したB細胞は職務を果たしたあとはほとんど死滅してしまいますが、一部は一度産生した抗体の情報を記憶する記憶細胞(メモリーB細胞)として残ります。
後に同じ抗原が体内に侵入した場合はそれらの情報に基づき早期に抗体を産生し対応します。予防接種はこの機能を利用したものです。

(注4)胸腺(thymus)で分化成熟されるのでその頭文字をとってT細胞

(注5)NKはNatural Killer(ナチュラルキラー)の頭文字。「生来の殺し屋」、凄いネーミングですね。

以上が白血球の概要です。

次にこれらを踏まえた上で免疫システムの仕組みを見ていきます。

免疫システムの仕組み

免疫システムには 自然免疫と 獲得免疫という2段階のシステムがあり病から身を守ってくれています。

自然免疫

自然免疫の役割は第1次防衛ラインとしての最前線の防衛です。

自然免疫の主役は好中球NK細胞です。

1.まず好中球攻撃の機序です。

斥侯役のマクロファージが敵を発見すると好中球遊走刺激因子を放出します。

放出された刺激因子や外敵自体が産出した物質を表面のレセプターで受けた好中球は遊走を開始。

刺激因子の濃度の濃い方向に遊走していき感染源に到達、外敵を撃退します。

2.一方、NK細胞は常時体内を巡回、ウィルスや細菌等を単独で攻撃します。

獲得免疫

獲得免疫は自然免疫の第1次防衛ラインが破られた場合に出番となります。

ここでの主役はヘルパーT細胞B細胞、そしてキラーT細胞です。

マクロファージや感染細胞自体のサイン(抗原提示)を認識した司令官役のヘルパーT細胞はB細胞を補助して「抗体」を作り外敵を無力化します。

さらにキラーT細胞を活性化、活性化されたキラーT細胞はB細胞の抗体によって無力化された細胞や感染細胞を発見し破壊します。

なんと良くできたシステムでしょうか、マーベラスです!

しかし、この素晴らしいシステムもなんらかの原因で機能が低下してしまうと外敵を取り逃がしてしまいます。

その結果、我々はインフルエンザ、コロナ、癌等に罹患してしまうわけです。

ではどのような原因で免疫力は低下してしまうのでしょうか?

これからが肝心なところです。免疫力の低下の原因についてはこちら↓でまとめています。

免疫力が低下してしまう6つの要因
↑「免疫力アップ大作戦:コンテンツ一覧」へ戻る 前章では、免疫システムのメカニズムについて学んできましたが、本章では免疫力が低下してしまう要因についてみていきたいと思います。 免疫力が低下してしまう主な要因として考えられるのは次のようなこと...

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