フルパワーウォーキング:歩行のメカニズム

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全力でより速く歩く為に、まず「歩行のメカニズム」について勉強しておきましょう。
普段なにも気にせず行っている動作ですが、かなり奥が深いです。

より速く歩く為の正しいフォーム作りにも役立つのではないかと思います。

歩行周期について

1歩(step)とは

たとえば右踵が接地して次に左踵が接地するまでの動作を1歩(step)と呼び、この間の距離を歩幅(step length)といいます。

重複歩(stride)とは

踵が接地して、次に同じ側の踵が接地するまでの動作をさします。

ここでは重複歩をstrideとしていますが、一般的にはストライドというと上記の1歩や歩幅を指すことが多いようです。

歩行周期(walking cycle)とは

重複歩の1サイクルをさし、歩行周期は立脚相と遊脚相に分けられます。

立脚相(stance phase)とは

地面に脚が着いているフェーズで
踵接地、足底接地、立脚中期、踵離地、足指離地の各要素からなります。
立脚前半の踵接地、足底接地は抑制期で遊脚相で失われた体幹の平衡を元に戻そうとする時期、
立脚後半の踵離地、足指離地は推進期で足指が地面をけって推進力が発生する時期です。

この辺のところは、フォームを考える上で重要になってきそうです。

遊脚相で後ろに蹴った脚が前方に移動する際ルートがぶれて外側に流れたり、外旋が強くなり接地時に足先が極端に外側を向いてしまう(足角大)
と平衡を元に戻そうとする際に余計な動きと負担が生じてしまうわけですからね。

遊脚相(swing phase)とは

足指が地面を離れて振り出されているフェーズで
加速期(脚が体幹の後方)、遊脚中期(脚が体幹の直下)、減速期(脚が体幹の前方)の各要素からなります。

ここもフォームを考える上で重要そうです。この各要素しっかりと頭に入れておきましょう。特に()の中の説明が大きなポイントになりそうです。
ここでは体幹という言葉で表現していますが、重心(通常は仙骨の前方)というイメージでとらえておいた方が具体的でわかり易いかも知れません。

同時定着時期とは

両足で支持する時期。

平均歩行速度は

平均で男性で4.8km/h、女性で4.5km/h。測定する地域でも大きな差はでてしまいます。

確かにのんびりとした田舎と忙しい都会とを一緒に考えるのは無理がありそうですね。特に大阪の方、なんとなく速そうですがどうなんでしょう?

ちなみに競歩の場合、時速はどれくらいだと思いますか?

現在、20kmの世界記録は日本の鈴木雄介選手が持っていて1時間16分36秒です。
時速にすると約15.6km
驚異的です。

50kmの世界記録はフランスのヨアン・ディニズ選手の3時間32分33秒。
時速で約14.1km
この記録をマラソンの42.195kmに換算してみると2時間59分23秒、なんとサブスリーです。

私などはフルパワーウォーキングなどとほざいていますが、全力疾走ならぬ全力疾歩で7.2km前後。
倍のスピード、想像を絶する世界ですね。

重心について

重心の位置

成人の場合は正中線上で足底を基準とした時、下から身長の55%程の高さで仙骨の前面にあります。

重心は仙骨の前面にあるという点は最重要ポイントです。覚えておきましょう。
良く丹田とかへそ下○cmに力を入れろとかのアドバイスは結局、この重心を意識しろということではないかと思う次第。

重心の移動

上下と左右の移動があります。測定結果として速歩の場合の頭部の位置測定で上下の場合は6.0±1.3cm、左右では5.0±2.1cmの移動が見られてとのこと。

ブレを最小限に抑えてエネルギーを効率よく前方への加速に使えるようなフォームを目指さなければなりません。

足角とは

進行方向と平行な線と接地した足底の縦ラインとで形成される角度です。

この足角の角度はランニング障害やフォームを研究する上で、大きな要素だと思いましたので敢えて取り上げておきます。

正常なまっすぐな脚であれば膝蓋骨(お皿)の向きと足先の向きは同方向です。
しかし私のようにO脚があると足角が大きくなる傾向があり、無意識に足を着くと足先が外側を向いてしまいます。

このまま歩いたり走ったりすればベタ足になってしまい大きなエネルギーロスが出てしまいますので意識して爪先を進行方向に向けて着地させるのですが、その分、立脚相の中期・後期に膝や股関節で補正してやらなければなりませんのでどうしてもスムーズな動きができません。

ランニングをしていた時もその問題でかなり悩んだのですが、骨格の問題ですのでなかなか対策がなく難儀しました。

それに比べてマラソンのアフリカの選手達の足のまっすぐなこと、おまけに長い。
膝下も長くほとんど足角がないので羨ましいくらいスムーズな脚の動きをしています。
同じ人間とは思えません。

日本選手が以前に比べて体格が良くなったとは言え、彼らに比べると、、、。
彼らの強さ、疲労物質が蓄積しにくい体質ということもありますが、骨格的にも圧倒的優位性を持っていますから、今後も日本人が勝つのは至難の業かと思います。

各関節の屈曲と伸展

下肢の動きの中心となる3つの関節の動きを押さえます。

  1. 股関節

    ・踵接地後、支持脚の股関節は進展を続け体幹を前方に移動させる。
    ・反対側の脚が着地して支持脚になると屈曲が始まる。
    ・遊脚相に入ると、急速に屈曲して下肢を前方に振りだす。

  2. 膝関節

    ・踵接地後、支持脚の膝関節は軽度屈曲する。
    ・体幹が支持脚より前方に移動すると伸展が進む。
    ・反対側の脚が着地すると、屈曲を始め屈曲の度合いを進めながら遊脚相に入る
    ・遊脚相の後半、膝関節が体幹の前方に移動して最高位に達すると急速に進展し下腿を前方に振りだす。

  3. 足関節

    ・踵接地時、支持脚の足関節は軽度屈曲する。
    ・進展して足底接地、ただちに屈曲へ移行していく。
    ・立脚相後期には伸展が始まり踵離地となる。
    ・足指離地後は急速に屈曲に移行し、屈曲状態は遊脚相の間継続される。

正しいフォームを考える上でヒント満載です。
特に「支持脚の股関節は進展を続け体幹を前方に移動させる。」というところ、
この股関節が体幹を移動させるというイメージは前方推進力について考える時の重要ポイントになると思います。
 
しっかり頭に入れておきましょう。

(参考図書)
・『基礎運動学』(中村隆一、斎藤宏著、医歯薬出版株式会社、1992年)

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