フルパワーウォーキングにおける私のテーマの一つは
「大きなストライドの世界一美しいフォームでフルパワーで歩く」です。
「フルパワーウォーキング:アウトライン」でも記述しましたが、
残念ながら、私は胴長短足O脚、長くてまっすぐなスラットした脚は与えられていませんし、体も硬い。
筋肉も柔軟性に乏しく疲れやすい。おまけに歳。
当然、モデル達のように美しく歩ける訳はありません。
ただ、決して恵まれているとは言い難い体形や筋力でも
なんとか工夫して自分に合った機能的なフォームを完成させることができれば、
そのフォーム自体がある意味美しいフォームなのではないかと思うのです。
そしてそのフォームは世界で唯一無二、オンリーワンです。
誰も真似はできません。そういう意味での「世界一」です。
だいぶ大げさになってしまいましたが。まあ、お遊びと言うことでご勘弁下さい。(笑)
では、どうすればオンリーワンの美しいフォームを獲得できるのか、
チェックポイントをいくつか洗い出してみましょう。
姿勢で意識すべき点
この部分はいかなるスポーツでも基本ですね。
ウォーキングをしていると多くのウォーカーの方とすれ違いますが、
「ああ~、もったいないなあ~」と思うことが度々あります。
背中を丸くして歩かれている方、
無駄に肘を直角に曲げ体の前面で前後させている方、
腕を八の字のように斜め後方に振られる方
等
気分転換の散歩であるならどうのこうのはないのですが、
健康の為に歩かれているだとすれば、、、もったいない。
まず、姿勢からチェックしてみましょう!
リラックスした状態で壁を背にして立ち、
顎を軽く引いた状態で後頭部、
両肩、
両肘、
両掌、
臀部、
両ふくらはぎ、
両踵
をつけた状態をキープします。
この姿勢が楽な方は問題がありませんが、
きつい方は普段の姿勢に問題ありです。
たぶん横から見ると顔が前に出て、
背中が丸まり骨盤が後傾した状態だと思います。
私もどちらかというとそのタイプで最初は姿勢を維持するのが辛かったのですが、
毎朝、チェックを続けた結果、最近は姿勢キープがだいぶ楽になってきました。
顎が引かれ、
両肩が後方に引かれて胸は張り、
腹部は引っ込み、
腹筋は緊張、
骨盤が軽く前傾、
重心は普段の立位より前方に移動しているかと思います。
この姿勢がウォーキングやランニングの基本姿勢です。
まず、この姿勢を体に覚えこませることが第一歩です。
腕の振りで意識すべき点
ウォーキングの写真やイラストを検索してみると
肘を直角に曲げているフォームがほとんどです。
元気一杯歩いているというイメージを醸し出す為なのだと思います。
しかし、ウォーキングレベルの速さで肘を直角に曲げる必要性は全くありません。
一定以上の速さになってくれば、
どうしても下半身の速い動きに合わせて腕を前後しなければならなくなってきますから、
素早く振る為に肘を曲げる必要性が出てきますが。
競歩レベルですとピッチも速く、
腕を折りたたまないと腕を速く振れませんので肘は直角近くになります。
原則、上半身で意識するのは骨盤の安定やローリングの為に使用する腹直筋や腹斜筋だけ、
それ以外はリラックス状態、
腕は振るのではなくバランスを保持する為に下半身の動きに合わせて振られるだけです。
あくまでもフルパワーウォーキングは下半身主導。
多少、意図的に振るにしても肘を後方に引くくらい。
意識して前方に振ることはありません、後方に引いた反動で前方に振られるだけです。
原則、腕はリラックス。
腹直筋や腹斜筋、そして骨盤周辺の筋肉が強化されてくると
両手をポケットに入れて歩いてもバランスが崩れることなくスピードも落ちることなく歩けます。
骨盤、下肢で意識すべき点
1.腹筋を緊張させて腹部を引っ込め(ドローイング状態を維持)、
骨盤を後傾させない姿勢をキープすることが重要です。
骨盤が後傾しお尻が落ちたような歩き方になってしまっては
大きなストライドでは歩けませんし、
重心が後方に移動してしまいますから
前方へのスムーズな重心移動も出来ず速く歩くことはできません。
頑張って基本姿勢をキープして下さい。
一種の体幹トレーニングですので、
継続すれば自然に体幹が鍛えられ姿勢も改善されます。
2.腹筋を緊張させることとかぶりますが、
特におへその下5cm位のところを意識しながら歩くことが大切です。
接地時の衝撃を体全体で吸収し脚への負担を少なくしてくれますし、腰高姿勢キープにも有効です。
体の重心は仙骨の前面にありますので体の重心を意識すると言い換えてもいいかもしれませんね。
体の重心を意識することは速く歩く上でも非常に重要なポイントとなります。
いかにすればブレーキをかけずに体の重心をスムーズに前方移動できるのか、
その為には腹筋、腹斜筋、殿筋等骨盤周辺の諸筋、大腿三頭筋やハムストリング、
そして腓腹筋や脛骨筋等をどのように使っていけば良いのか等を
常に意識しながら歩くことが理に叶ったフォームに近づく為の近道なのだと思います。
3.立脚相前半、前に振り出された脚の踵が接地、
足先が進行方向と平行になるように徐々に足底を接地していき
足指と足底筋を使って地面をしっかりグリップしてやります。
私もそうなのですが、
骨格上、膝の方向に対して足先の方向が外側に向いてしまっている方は
無意識に接地すると足先が外側に向いてしまいます。
その状態のまま蹴り出せばエネルギーロスが発生してしまいますので、
意識してまっすぐに接地してやる必要があります。
4.立脚相前半から中盤にかけては、
足指と足底筋を目いっぱい使用して地表を掴み
股関節の伸展筋の殿筋とハムストリング諸筋を収縮させて
地表を手前にグイ~と引き寄せ、その脚を後方に送り込むというイメージです。
5.立脚相後半、
支持脚の股関節は進展(背面側に屈曲)を続け(第1エンジン)
体幹は徐々に前方に移動、
最後にグリップしている足指を後方に蹴り出した時の推進力(第2エンジン)が股関節に伝わり、
さらに前方に体幹を移動させます。
骨盤が後傾していては
この股関節の進展がほとんどないまま立脚相が終了してしまいますので
大きく体幹をスムーズに移動することはできません。
また脚の後方への送り出しが不十分な状態の時に足先を後方に蹴ってしまうと、
せっかくの前方へのパワーが上方に逃げてしまいますので、
限度いっぱいまで脚全体を後方に送り込んでから
最後に足先を後方に蹴り出して加速するという点も
フルパワーウォーキングの重要なポイントの一つです。
まとめ
以上、フルパワーウォーキングのフォームについて
重要なポイントをいくつか洗い出してみました。
正しいフォームで大きなストライドで最速を目指すフルパワーウォーキングは
姿勢矯正、体幹強化、足腰強化に最適です。
重要な筋肉でありながらなかなか鍛えることが難しい足底筋も自然に強化できます。
ジョガーの方であればランニングフォームの矯正にもなります。
おまけにストレス解消、気分転換にもうってつけ。
是非、生活の一部に取り入れて楽しんでみてください。