- 脂肪とは
- 脂肪の主な働き
- 脂肪の消化吸収
- まず十二指腸で界面活性剤の機能を持つ胆汁中の胆汁酸により乳化され細かい粒になります。
- 膵液中のリパーゼによって中性脂肪が加水分解され、グリセロール、脂肪酸とモノグリセリドに分解されます。
- 親水性のグリセロールはそのまま小腸上皮細胞から吸収されます。
- 脂肪酸とモノグリセリドは不溶性ですが、胆汁酸やコレステロール等からなる親水性のミセル(分子間力による多数の分子の集合体)に取り込まれ小腸の柔毛というヒダの中にあるリンパ管から吸収されます。
- 小腸上皮細胞に入った脂肪酸やモノグリセドはタンパク質と結合してカイロミクロンとなりリンパ管から動脈を通って全身に運搬され多くはエネルギーとして使われ、余剰となった脂肪は中性脂肪として貯蔵されます。
脂肪とは
動植物に含まれる栄養素の一つです。炭水化物、タンパク質と共に三大栄養素を構成しています。
脂肪の代わりに脂質と言う言葉も良く使用されますが、
脂質は
水に不溶でエーテル、クロロホルム等の有機溶剤に溶けやすいという特徴を有している
物質の総称で、脂肪はその中に含まれます。
食品分析表では脂質、栄養学では脂肪が採用されています。
一般的には脂肪と脂質はほぼ同意として扱われているようです。
又、通常、脂肪と言えばほぼ脂肪酸グリセリンエステルである中性脂肪を指します。
ちなみに中性脂肪と呼ばれる云われは脂肪酸とグリセリンが結びつき中性を示すところからきています。
脂肪の主な働き
1.体のエネルギーの貯蔵庫
1gで約9kcalとたんぱく質や炭水化物の2倍以上のエネルギーを有しています。
通常状態であれば主なエネルギー源は糖質ですが、摂取カロリーが極端に欠乏するとまず筋肉が分解されエネルギーとして利用され、次に脂肪が燃焼されエネルギーとして使われます。
2.ステロイドホルモン合成
3.胆汁の材料
4.細胞膜の構成要素
5.ビタミンA,D,Eの円滑な吸収のサポート
脂肪と言うと悪玉的なイメージがありますが、適度の脂肪は我々の生活に必要不可欠です。
脂肪の消化吸収
まず十二指腸で界面活性剤の機能を持つ胆汁中の胆汁酸により乳化され細かい粒になります。
膵液中のリパーゼによって中性脂肪が加水分解され、グリセロール、脂肪酸とモノグリセリドに分解されます。
親水性のグリセロールはそのまま小腸上皮細胞から吸収されます。
脂肪酸とモノグリセリドは不溶性ですが、胆汁酸やコレステロール等からなる親水性のミセル(分子間力による多数の分子の集合体)に取り込まれ小腸の柔毛というヒダの中にあるリンパ管から吸収されます。
小腸上皮細胞に入った脂肪酸やモノグリセドはタンパク質と結合してカイロミクロンとなりリンパ管から動脈を通って全身に運搬され多くはエネルギーとして使われ、余剰となった脂肪は中性脂肪として貯蔵されます。
脂肪の適正摂取量
生活習慣病予防の為には総摂取カロリーの25%~30%以下に抑えることが望ましいとされています。
男女差体格等で一概には言えませんが最大で植物油大匙では4~5杯程度、70g位が目安かと思います。
脂肪の過剰摂取の弊害
過剰な摂取が肥満、脂質異常症、高血圧等の生活習慣病をもたらし、さらには動脈硬化症、心臓病、大腸がん、乳がん等のより重篤な疾患の発症リスクを高めてしまいます。
特に外食がメインの食生活の場合は自分が意識している以上に多めの脂肪を摂取している可能性が高いかと思います。
私の亡き父も仕事がら外食が多く、本人も脂ぎった食べ物を好んで食していました。
結果、遺伝的リスクということもあり一概には言えませんが、大腸がんを発症し手術、5年後再発してしまい2度目の手術。
予後が芳しくなく辛い闘病生活後に亡くなりました。
ご存知のように現在、特に大腸がんと乳がんの罹患者が急増しています。
ダイエットは本当にいい機会だと思います。
現在、自分はどれくらい脂肪を摂取しているのかを調べて、もし問題があれば食生活を改善しておきましょう!
後で後悔のないように!
とにかく健康が一番です!
最後に脂肪酸について触れておきます。
脂肪酸
脂肪酸とは
前述してますが、脂肪(脂質)の構成要素です。
化学的には二重結合や二重結合の位置で次のように分類されます。
1.飽和脂肪酸(二重結合無)
2.一価不飽和脂肪酸(二重結合1個、オメガ9脂肪酸とも呼ばれる)
3.多価不飽和脂肪酸(二重結合2個以上)
(1)n-6系多価不飽和脂肪酸(二重結合の位置相違、オメガ6脂肪酸とも呼ばれる)
(2)n-3系多価不飽和脂肪酸(二重結合の位置相違、オメガ3脂肪酸とも呼ばれる)
飽和脂肪酸
代表例はステアリン酸、パルチミン酸です。
主に動物の脂肪に多く含まれていますが植物でもココナッツオイルやパームオイルには多く含まれています。
バターは約7割、ラードや牛脂は約4割程度が飽和脂肪酸です。
飽和脂肪酸は融点が高いのでバターやラードのように半固体状態で存在します。
摂取量が多すぎると心臓疾患、少なすぎると脳出血の発症リスクを高めてしまいます。
一価不飽和飽和脂肪酸
代表例はオイレン酸です。
オリーブオイル、菜種油、ひまわり油に多く含まれています。
n-6系多価不飽和脂肪酸
代表例はリノール酸です。
必須脂肪酸です。体内では合成できないので食物から接収する必要があります。
大豆油、コーン油に多く含まれています。
摂取量が多すぎるEPAやDHA摂取の効能を阻害してしまいますので要注意です。
n-3系多価不飽和脂肪酸
代表例はエイコサペンタエンサン酸(EPA) 、ドコサヘキサエン酸(DHA) 、αリノール酸です。
必須脂肪酸です。
青魚(鰯、鯖等)、エゴマ油、シソ油に多く含まれています。
血中中性脂肪の低下、動脈硬化予防等の効能があります。