概要
システム開発に取り組み始めた2007年後半から2008年にかけて作成した寄引システムが母体です。
母体システムは日経225先物の日足の4本値のみから作成。
寄り引けということで第一感でテクニカル指標を使用してもあまり機能しないだろうということでテクニカル指標として採用したのは単純移動平均線だけです。
但し、終値だけでなく始値、高値、安値の単純移動平均線も使用しています。
この母体システムに海外指標等いくつかのフィルターをかけてパフォーマンスを改善したのが本システムです。
かけるフィルターの違いで亜種を数種類作成、本システムはその中の一つです。
日中の変動幅の平均/価格が一定以下、一定以上の場合はノーサインとしています。
相場が上昇期からプラトー期に移行した2017年頃から、もみ合い局面が多くなってきているので苦戦状態が続いています。
フィルターで使用しているNYダウ等との相関関係も以前とは異なった様相を呈してきており以前の優位性がなくなってきているということもパフォーマンス低下の一因かも知れません。
システムにとっては厳しい日々が続きそうです。
「2020年3月1日:記」
過去のパフォーマンスにほとんど影響を与えないという条件下で、次の2点について変更を加えました。
1:ニューヨークダウ変化率の他にCME225ドル建ての変化率も見ていましたが、CME225ドル建ての変化率は見ないように変更。
2:プラトー局面対策としてカウンターで入るパターンを1種類から2種類に増加。以前と比べれば若干ですがもみ合いに強くなったと思います。
使用ツール
EXCEL
ターゲット
日経225先物ミニ(メジャー限月)。
当然、ラージ運用も可ですが、ミニに比べるとパフォーマンスは落ちます。
システムタイプ
寄引
対象セクション
日中(8:45~15:15)
使用足
日足
トレード頻度
1回/日以下、トレード率は50~60%程度。
特徴
通常の寄り引けシステムでは前日の終値を判断基準に使用することが多いかと思いますが、本システムでは当日の始値を判断基準に使用しています。
ギャップの大きさが結果に大きな影響を与えるだろうという読みからです。
原則はトレンドフォローエントリー、但し、ギャップの大きさ等を判定して歪みとみた場合はカウンターでもエントリーします。
ENTRY条件
1.始値、高値、安値、終値の各移動平均線と価格との位置関係とギャップの大小等から取り敢えず売買を判定
2.その結果に下記のようないくつかのフィルターをかけて最終的な売買サインを出しています。
・前日の日経225先物の買われ過ぎ、売られ過ぎを判定して導き出された売買サイン
・日経225先物の当日の始値の前日終値と比較した変化率とNYダウとCME日経平均の前日終値の前々日終値と比較した変化率との関連性から導き出した売買判定
・以上で導き出されたサインが「買」だった場合でかつ「ラリー・ウィリアムズの最高の売り(の改良版)」に該当した場合は「買」サインはスルーしノートレードに。
CME日経平均は円建てなくドル建てを使用しています。
ドル建ての方が古くから上場されているのでヒストリカルデータが豊富だったことと、前々日と前日の変化率を見ているだけなので、どちらを使用しても結果はほとんど変わらないからです。
本システムでは過去X日間の(高値-安値)の平均値(平均変動幅)を重視しています。
平均変動幅によって使用するパラメータ値も変動させていますし、ロスカット値も平均変動幅を基準に算出しています。
その際、平均変動幅は額で見た方がいいのか、価格に対する相対値(パーセンテージ)で見た方がいいのかかなり迷いました。
変動額が同じでも価格が10,000円の時と20,000円の時では意味合いが違いますから相対値で見た方が合理的だと思っていろいろテストしてみたのですが、ほとんどの場合、額の方がパフォーマンスが良かったので、寄引システムの場合は変動幅に関しては一部相対値を使用していますがほとんどの場合変動額を採用しています。
EXIT条件
原則15:15に引成強制決済。ストップロスが機能した場合はザラバ中決済。
運用方法
本システムの売買判定はギャップも考慮する関係上、始値に左右されますので、8時30分前後の気配値の上下全120呼値につきそれぞれの価格の売買サインをマクロ機能を使用して走査し、その売買サインに基づいて手動で寄成注文を発注します。
気配値が買、売、ノートレのサインの境界線近辺の場合はENTRYに難儀してしまいますが、その場合は寄り値を確認後に発注することになります。その際、始値と仕掛値が異なってしまうこともありますが仕方ありません。
建玉を確認後、損切値で逆指値注文発注します。
損切りにひっかからなかった場合、引けで決済。
現在の口座はアクティブ口座を使用していますので、決済処理はノータッチです。
決済の作業がなくなったので運用負担はかなり軽減されました。